2021年の年間ランキングを完全ワイヤレスイヤホン、有線イヤホンに分けて1位から5位までご紹介します。トレンドや「ヒットした理由」についても解説します。
完全ワイヤレスイヤホン年間ランキング
有線イヤホン年間ランキング
イヤホンランキングのトレンド総括
各オーディオメーカーが本格的に完全ワイヤレスイヤホンに乗り出し、成熟していった印象のある2021年。一方で有線イヤホンも負けずにヒット製品が生まれています。
フジヤエービックの2021年・年間ランキングを完全ワイヤレスイヤホン、有線イヤホンに分けて1位から5位までご紹介します。
集計期間は2021年1月1日~11月30日、カラーバリエーションのあるモデルはすべて合算した数値での集計となっています。(ハードスペックが異なる場合は別モデルとして集計)
2021年6月発売
さすがはソニー、発売から半年足らずで堂々の売上ランキング1位を取得してしまいました。
シリーズ3作目(実は「XM2」というモデルは存在しません)で従来モデルから大幅なデザインチェンジを行なったほか、高音質コーデック「LDAC」に完全ワイヤレスイヤホンで初めて対応。ノイズキャンセリング機能もさらにパワーアップと、まったくスキのない製品に仕上がったことが人気の要因かと思われます。
【商品情報】SONY WF-1000XM4
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2020年9月発売
ゼンハイザーサウンドがお手頃価格で楽しめる完全ワイヤレスイヤホンとして発売当初から人気を集めていましたが、特に2月からスタートした期間限定セールが大きな決め手となり一気にランキング常連となりました。
残念ながら現在は生産完了しておりますが、後継機種として「CX True Wireless」、そのノイズキャンセリング機能搭載モデルの「CX Plus True Wireless」も売れ行き好調です。
【商品情報】SENNHEISER CX Plus True Wireless
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2020年4月発売
比較的低価格モデルが人気を得やすい完全ワイヤレスイヤホン市場にあって、3万円オーバーと高価格ながら音質・性能の高さで話題となったのがこのMOMENTUM True Wireless2です。
柔らかで落ち着いた雰囲気で知られるゼンハイザーサウンドがハイレベルで楽しめる、ということで2位のCX 400BTとほぼ2倍もの価格差があるにもかかわらずしっかり3位を獲得しています。
【商品情報】SENNHEISER MOMENTUM True Wireless2
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2020年11月発売
発売当初は入荷数がとても少なく、次回入荷までなんと3ヶ月待ち(!)ということもあったモデルです。その名のとおりクラブミュージック向けのマッシブで骨太なサウンドが楽しめるイヤホンとして話題となりました。「人気Youtuberの〇〇さんがレビューしていたので欲しくなりました」という方が非常に多かったことも印象的です。
【商品情報】JBL CLUB PRO+ TWS
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2021年7月発売
システムボイスやプリセットイコライザーの追加など「ユーザーに寄り添い、買った後も楽しみが提供され成長するTWS」をコンセプトに、今までにない楽しみ方を提供したことが高評価を得たイヤホンです。
期間限定配信の人気声優さんによるシステムボイスはまもなくダウンロード期限(12月31日 23:59)を迎えてしまいますが、はたして次はどんな仕掛けが用意されているのか?!今後も目を離せません。
【商品情報】ANIMA ANW01
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いまや街中や電車内でも珍しくない存在となった完全ワイヤレスイヤホンですが、すでに手軽さや音質の良さをPRするのは当たり前、そのほかにどんな”プラスアルファ”があるのかで勝負するフェーズに入っているようです。
ほぼ「全部入り」と言える性能のWF-1000XM4や、怒涛のアップデート内容で購入後も期待を持たせるANW01といったモデルが人気を集めたことからもその傾向が伺えます。2022年はどんな武器を持ったイヤホンが登場するのか、非常に楽しみです。
SONY WF-1000XM4 | SENNHEISER CX 400BT True Wireless | SENNHEISER MOMENTUM True Wireless2 | JBL CLUB PRO+ TWS | ANIMA ANW01 | |
ノイズキャンセリング機能 | ○ | - | ○ | ○ | - |
通話 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
耐汗耐水性能 | IPX4 | - | IPX4 | IPX4 | IPX7 |
連続再生時間 | 最大8時間(NCオン) / 最大12時間(NCオフ) | 最大7時間(イヤホン単体) / 最大20時間(充電ケース併用) | 最大7時間(イヤホン単体) / 最大28時間(充電ケース併用) | ANCオン:イヤホン本体最大約6時間+充電ケース使用約18時間=合計約24時間 ANCオフ:イヤホン本体最大8時間+充電ケース使用約24時間=合計約32時間 | 約6時間(イヤホン単体) / 最大約15時間(充電ケース併用) |
急速充電 | ○ | - | ○ | ○ | - |
コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / aptX | SBC / AAC / aptX | SBC / AAC | SBC / AAC / aptX |
2020年12月発売
国内イヤホンブランド「Acoustune」のエントリーモデルHS1300SSが有線イヤホン部門トップに立ちました。発売当初はAzul(青)、Rojo(赤)の2色展開でしたが、その後限定カラーのVerde(緑)も加わったことでさらにユーザーが拡大。
エントリー価格ながら重厚感あるメタルハウジングを採用、ケーブルの端子にもPentaconn Earコネクターを搭載するなど、妥協のない製品づくりの結果がこの順位につながったのではないでしょうか。
【商品情報】Acoustune HS1300SS
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2021年6月発売
名門ゼンハイザーのフラッグシップイヤホンが9年ぶりにメジャーバージョンアップ!と話題になったIE 900が年間2位にランクイン。高いブランド力はもちろん、アルミブロック削り出しのハウジングやゼンハイザーこだわりのダイナミックドライバ(直径7mm)搭載などマニア心をくすぐる要素が満載されたモデルです。
【商品情報】SENNHEISER IE 900
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【試聴レビュー】SENNHEISER(ゼンハイザー)からマニア待望のフラッグシップイヤホン・IE 900登場!最速でレビューをお届け!
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2020年10月発売
A4000は同社フラッグシップモデル「A8000」が掲げる「トランスペアレント(立ち上がりが速く空間に音が浮かぶような感覚かつ遠くに定位する音が明瞭)な音」を追求しながら、手の届きやすい価格となるようあらゆる面を見直して作り上げられたモデルです。
【商品情報】final A4000
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2021年1月発売
プロ向けのスタジオモニターイヤホン「IE 500 PRO」「IE 400 PRO」の特徴を受け継ぎ、上級機「IE800」に採用された7mm口径のダイナミック型XWB(ExtraWideBand)ドライバー搭載し、リスニング向けにチューニングされた「IE 300」。
モニターイヤホンの特徴である「クリアさ」に「低域の量感・音場の広さ」が加わり、上質な音を体感できるモデルです。
【商品情報】SENNHEISER IE 300
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【試聴レビュー】ゼンハイザー「IE 300」IE500 PRO、 IE400 PROに続くミドルクラスのイヤモニ発売!
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2021年4月発売
シンガポール生まれのハイエンドオーディオブランド「DITA」が日本のオーディオブランド「final」と共同開発。職人が丁寧に仕上げた美しい筐体が特徴の超弩級イヤホンです。日本の伝統工芸技術である「沈金」「漆塗り」を惜しげもなく投入した姿はもはや芸術品レベル。
【商品情報】final×DITA SHICHIKU.KANGEN -糸竹管弦-
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新機能が続々と追加され各ブランドの完全ワイヤレスイヤホンが登場している中で、有線イヤホンも音質にこだわるユーザーから今なお人気を誇っています。
特に今年は1位のAcoustune、3位のfinalなど、国内ブランドの健闘も光る一年となりました。また、上位ランクインの製品が必ずしも10万円以上するような高額品ばかりでなく、比較的手に取りやすい価格帯のものが含まれているあたりも注目です。有線イヤホン、まだまだ目が離せませんよ。
Acoustune HS1300SS | SENNHEISER IE 900 | final A4000 | SENNHEISER IE 300 | final×DITA SHICHIKU.KANGEN -糸竹管弦- | |
ドライバー構成 | 10mm径ダイナミック型ドライバー(改良型第3世代ミリンクスドライバー) | ダイナミック型 | 6mmφダイナミックドライバーユニット「f-Core DU」 | ダイナミック型 | ダイナミック型(トゥルーベリリウムドライバー Gen.SK) |
コネクタ | Pentaconn Ear | MMCX(ゼンハイザー独自形状) | 2Pinコネクター | MMCX(ゼンハイザー独自形状) | MMCX |
プラグ形状 | 3.5mm3極L字金メッキプラグ | 3.5mmステレオミニプラグ L型、4.4mm(バランス)、2.5mm (バランス) | 3.5mmステレオミニプラグ L型 | 3.5mmステレオミニプラグ L型 | 3.5mm3極、2.5mm4極、4.4mm5極 |
インピーダンス | 32Ω | 16 Ω | 18Ω | 16Ω | 16Ω |
完全ワイヤレスイヤホンのトレンドとしては、ノイズキャンセリング、外音取り込み機能に加えてイコライザー設定、片耳モード、マルチポイント等多彩な機能を搭載しているものが目立ちました。
有線イヤホンでは、"こだわり"の逸品から広く受け入れられるイヤホンまで多数見受けられ、バリエーションの多さもランキングに反映されていました。
多種多様なニーズに応えたイヤホンの動向から今後も目が離せません。
年間ランキングの中で気になる製品がありましたらぜひチェックしてみてください。