人気の定番モニターヘッドホン「T3-01」を生み出したTAGO STUDIOの新作ヘッドホンT3-03 (BK)と、ブームマイク付ケーブル付属のヘッドホンT3-03 (GAMING PKG)を詳しくレビューします。新たなタゴサウンドが奏でる魅力とは?
TAGO STUDIOとは
T3-03の外観レビュー
TAGO STUDIO T3-03 音質レビュー
製品仕様
まとめ
TAGO STUDIO TAKASAKI(タゴスタジオ タカサキ)は群馬県高崎市で2014年3月に設立されたレコーディングスタジオです。
作曲家・音楽プロデューサーとして活躍する多胡邦夫氏が施設運営責任者を務め、高崎発のミュージシャン育成に力を入れている施設でもあります。
TAGO STUDIOが”モニター用途に本当に欲しいヘッドホン”としてT3-01(以下「01」)を作り上げたのが2017年。当初は知る人ぞ知るマニアックなヘッドホン…という立ち位置でしたが、その後著名な作曲家やアーティスト、声優といった方々が愛用していることから話題となりました。
2021年には当店の年間ランキング(有線ヘッドホン部門)で1位に輝くなど、今なお人気のヘッドホンです。
【商品情報】TAGO STUDIO T3-01
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そして2022年3月、その兄弟機種ともいえる新たなヘッドホンがついに登場します!
その名は「T3-03」、スタンダードな仕様のブラックと、ブームマイクつきケーブルが付属するホワイトの2色展開です。今回はこのT3-03について、くわしくお伝えしたいと思います。
まずはパッケージの外観からご紹介します。
01が白にピンクのブランドロゴと派手目なカラーリングだったのに対し、今回のT3-03では無地に黒または白のブランドロゴと落ち着いたトーンとなっています。ロゴの色はヘッドホン本体の色を表しています。
こちらがT3-03ブラックモデルの内容物です。ヘッドホン本体、着脱式ケーブル(3mと1.2mの2本)、キャリングポーチに取扱説明書が入っています。
ブラックモデルは全体的にマットなトーンです。
続いてこちらがT3-03 GAMING PKG(ホワイトモデル)の内容物です。
ヘッドホン本体、キャリングポーチ、取扱説明書はブラックモデルと共通ですが、着脱式ケーブルはブームマイク付き(1.2m)と通常のステレオケーブル(1.2m)、そしてマイク付きケーブルの端子をヘッドホンとマイクの2股に分ける分配ケーブル(1.3m)が付属します。3.5→6.3mm変換プラグは付属しませんのでご注意下さい。
ホワイトモデルはややアイボリーがかった色調となっています。
ホワイトモデルのハウジングのみ、ホワイトの上に半透明のカバーがかかったような2層構造になっています。
ブームマイク付きケーブルのプラグはスマートフォンなどでも使われている3.5mm 4極端子です。
PCなど、ヘッドホン端子とマイク入力端子が分かれている機器と接続する際には、付属の分配ケーブルを使用します。
ホワイトモデルのブームマイクは株式会社プリモとの共同開発です。
プリモは今年でちょうど創立70周年となる歴史ある国内企業で、オーディオ向け製品はもちろんのこと警察無線や銀行ATMの通話機など、生活のさまざまなシーンで活躍する製品を生み出している実力派マイクメーカーです。
ブームマイク付きケーブルにはスライド式のミュートスイッチがついており、チャット中に一時マイク音声をオフにすることも可能となっています。
なお、ブラックモデルとホワイトモデルとではヘッドホン部分の仕様はまったく同じで、カラーとケーブルの仕様のみが異なります。
ケーブルは3.5mm端子を採用した着脱式ですが、ヘッドホン側のジャック部分がやや奥まった場所にあります。
T3-03用のバランスケーブルは用意されていませんが、同じ仕様の01用ケーブルが使用可能です。
【商品情報】TAGO STUDIO T3-CB41
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【商品情報】TAGO STUDI T3-CB51
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ヘッドバンドのパーツはハウジング接続部およびアーム部を除き、基本的には01と同じものとなります。
ちょっとした違いとして、クッションパーツの天頂部の「TAGO STUDIO」ロゴは01のプリントからエンボス加工に変更されています。
また、01では金属パーツ部に「TAKASAKI」の文字が刻印されていましたが、T3-03にはそれがありません。
01との機構的な違いはこちら、ハウジングがフラットになる”スイーベル機構”が採用された点です。
ポーチに収納する際や、T3-03を首にかける際などカジュアルな使い方には最適な機能です。
イヤーパッドもスエード調の01とは異なり、合皮製で厚みも半分程度となっています。内径はほぼ同じくらいのサイズです。
ハウジングを比べると一見T3-03の方が小さいように見えますが、これはハウジングの形状が凸型になったことによるもので全体的なサイズ感は意外にもあまり変わりません。
また、ヘッドホン本体の重量も01が約321gだったのに対し、T3-03では約260gと軽量化が図られています。
01と並べてみるとイヤーパッドの厚みの違い、そしてハウジング部分の厚みの違いがはっきりとわかります。
なお、ドライバー径はどちらも40mmですが、01で施されていた”シルクプロテインコーティング”はT3-03のドライバーには使われていません。
それでは音質面もチェックしていきたいと思います。
組み合わせるプレイヤー兼ヘッドホンアンプにはShanling EM5を選択してみました。
やはり気になるのは01との違いではないかと思いますが、T3-03ではエッジの効いた硬質な中低域と、カチッとした定位の良さが印象的です。
ボーカルは01同様、目の前に浮かび上がるかのような実体感を持っていますが、01よりもイヤーパッドが薄くなった分ドライバが耳に近づいたことも影響しているのか、さらに至近距離から聴こえるような感覚です。
以前実施したインタビューでご本人にうかがったように「歌はセンターに、しかも近くに感じたい、で、それを聴いて泣きたい」という多胡氏の想いはT3-03にもしっかり受け継がれていると思います。
どちらかといえば全体の音を俯瞰的に鳴らす01に対し、ボーカルをメインにリスナーを中心として鳴らすT3-03というように、モニタリングよりもリスニングに重きを置いた音作りになっているように感じました。
もうひとつ、これは音質面でなく実用面でのお話となりますが、樹脂製のハウジングや合皮製のイヤーパッド、1.2mのショートケーブルといったポイントと、なにより「01のほぼ半分のお値段」という点が普段使いには非常にありがたいところではないかと思います。
01の楓材ハウジングは大きな魅力だけど、やっぱり取り扱いには気を遣うので…という方も多いのでは?そうした方にもこのT3-03は01とはまた違った魅力を持つヘッドホンとして楽しんでいただけるのではないでしょうか。
【スペシャルインタビュー】アーティスト2人が語る「TAGO STUDIO T3-01」の魅力とは?【AJURIKA・多胡邦夫】
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ドライバーユニット | Φ40 mm | 形式 | 密閉ダイナミック |
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出力音圧レベル | 102dB SPL/mW | 周波数特性 | 20Hz~20kHz |
最大入力 | 1000mW | インピーダンス | 70Ω |
質量 | 約260g(ケーブル含まず) |
【商品情報】TAGO STUDIO T3-03 (BK)
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【商品情報】TAGO STUDI T3-03 (GAMING PKG)
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TAGO STUDIOによるヘッドホン第2弾となるT3-03 (BK)およびT3-03 (GAMING PKG)は
・大人気モデルの遺伝子を引き継ぎつつカジュアルユースに対応
・ボーカルの魅力を存分に引き出す音作り
・国内マイクメーカー・プリモと共同開発のブームマイクでチャットもOK(GAMING PKGのみ)
と、制作者である多胡邦夫氏の想いがユーザーに伝わる製品となっています。
T3-03 (BK)およびT3-03 (GAMING PKG)は本日よりご予約受付を開始、発売は3月14日です。
店頭試聴機も本日から設置しておりますので、ぜひ店頭にて新しいタゴサウンドをご確認下さい!もちろん01との比較試聴もOKですよ。