完全ワイヤレスイヤホンの定番モデルが2年ぶりのモデルチェンジ!ドイツの名門ブランド・ゼンハイザーの人気シリーズ最新作「MOMENTUM True Wireless 3」の試聴機がついに到着しましたので、さっそくレビューをお届けします。
ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless」シリーズとは
MOMENTUM True Wireless 3の外観と特徴
「MOMENTUM True Wireless 2」との比較
MOMENTUM True Wireless 3の音質レビュー
まとめ
SENNHEISER(ゼンハイザー)はドイツを代表するヘッドホン・イヤホンメーカーです。そのゼンハイザーが誇る完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップ機が「MOMENTUM True Wireless」シリーズとなります。
今でこそ定番機として挙げられるこのシリーズですが、実は最初のモデルが発売されたのは2018年12月とつい最近のこと。その昔、2008年に一度「MX W1」という実験的なモデルを出したことはあるものの、現在の形となる完全ワイヤレスイヤホンそのものを出していなかったゼンハイザーがついに!という話題性もあり、あっという間に人気モデルの一角を占めることになりました。
その後2020年4月に後継モデル「MOMENTUM True Wireless 2(以下MTW2)」が登場、待望のノイズキャンセリング機能が搭載されたこともあり、こちらもまたたく間に定番モデルとして人気を集めた製品です。
【使ってみた】ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンがバージョンアップ!「MOMENTUM True Wireless 2」はこう進化した!
» こちらの記事を見る
MTW2の発売から2年、ということは…、そう、モデルチェンジの時期がやってきました!
シリーズ最新モデルとなるのがこちらの「MOMENTUM True Wireless 3」です!
今回はこの最新モデル「MOMENTUM True Wireless 3(以下MTW3)」について、その特徴と音質をお届けします。
パッケージ内容から確認していきましょう。MTW3のカラーバリエーションはこのブラックとホワイトの2色となりますが、残念ながらホワイトモデルは少し遅れて夏頃の発売になるとのことです。内容物はイヤホン本体とファブリック素材採用の充電ケース、イヤーピース(XS/S/M/Lの4サイズでMは装着済み)、リング状のイヤーフィン(S/M/Lの3サイズでMは装着済み)、充電用USBケーブル、保証書などの書類となっています。
イヤーフィンというのは、MTW3本体に取り付けるシリコン製の装着サポートパーツです。特にスポーツ向けの完全ワイヤレスイヤホンではよく見かけるパーツではありますが、このシリーズではMTW3が初採用となります。
イヤーフィンはS/M/Lの3サイズが付属していますが、いわゆる羽根の部分はLサイズでもそれほど大きいわけではありません。
イヤーピースはゼンハイザー製完全ワイヤレスイヤホンではおなじみの、十文字の仕切りがついたカサの浅いタイプです。
ステム(軸)も短いため、他社製イヤーピースを使用する場合は完全ワイヤレスイヤホン専用モデルなどカサが浅く軸の短いタイプをお選び下さい。
続いて、前モデル「MTW2」からどう変わったのかを比較しながらご説明したいと思います。まずは充電ケースとイヤホン本体の外観の比較から。
充電ケースは幅が1cmほど短く、高さが2,3mm高くなってよりコンパクトに凝縮された印象です。また、MTW3の充電ケースではUSBコネクタが前面に移動したほか、ケースのバッテリー残量を確認するためのボタンが廃止されました。
イヤホン本体の変更点はご覧のとおり、ある意味MTWシリーズのアイコンだった丸型のハウジングから、まるで同じゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン「CX True Wireless」シリーズのようなやや四角い感じのハウジングへと、形状が大きく変わりました。
この形状変化は外側だけのもので、内側から見ると耳に当たる部分はひと回り小さくなったもののほとんど形状が変わっていないことがわかります。奥行きのみ、「MTW3」では若干短くなったようです。これらはわずかな変化ですが、「MTW3」を実際に耳に着けてみると意外と装着感の向上に影響していると実感します。
横方向から見た時の一番の違いはシリコン製のイヤーフィンでしょうか。
「MTW2」から「MTW3」になって変わったのは外見だけではありません、機能面でも大きな変化がありました。例えばトランスペアレント(外音取込)モードですが…
専用アプリ「Sennheiser Smart Control」で、外音の取込レベルが調整できるようになりました。取り込んだ音についても「MTW2」では頭の中心に集まるように聴こえていたものが、「MTW3」ではしっかりと定位感を失わずに聴こえてきます。なお、取込レベルを最大にするとノイズ成分まではっきりと取り込んでしまうので、ある程度調整して快適に聴こえるレベルに合わせて使用するのが良さそうです。
目に見える変化ではないものの、ノイズキャンセリング機能も「MTW2」から大幅なアップデートを果たしました。
「MTW2」では音質劣化を避けるため「自然なノイズキャンセリング」を目指していたゼンハイザーですが、そのぶん他社製品と比べてノイズキャンセリング性能が弱めという一面がありました。しかし、2年の歳月を経てついにゼンハイザーも高音質のまま強力なノイズキャンセリング性能を搭載することに成功!
Bluetooth受信用とは別のDSPチップ(ノイズキャンセルとDAC機能を担当)を搭載するほか、これまでは外のノイズを拾うためのマイクだけを搭載した「フィードフォワード方式」だったのに対し、「MTW3」では耳の近くでノイズを拾うためのマイクを搭載した「フィードバック方式」も追加したハイブリッドなノイズキャンセル方式を採用しています。
加えて、周囲の騒音レベルに合わせてノイズキャンセルの度合いを自動調整するという「アダプティブノイズキャンセリング」機能も搭載、前述のハイブリッドノイズキャンセル方式と組み合わせることでより一層高い効果を生み出しています。
一方で、左右のタッチコントロールが専用アプリでカスタマイズ可能な点など、使い勝手の良さが好評だった部分はそのまま受け継がれています。「この機能、自分は使わないんだけどなあ」という場合や、使いなれた別の完全ワイヤレスイヤホンと同じ操作感にしたいという場合に非常に便利です。
それでは音質の方もチェックしてみましょう。「MTW3」とスマートフォンをaptX接続し、サブスク音源(ロスレスおよびハイレゾ)で何曲か聴いてみました。
MTWシリーズ伝統の柔らかな中低域をメインとした音作りはそのままに、タイトで芯のある低域とヌケ感ある高域とが新たに加わったことで全体的にはフラット方向に近づいたサウンドバランスになっているように感じます。
「MTW2」と聴き比べてみると音場の広がりや回り込みがかなり向上している反面、やや明るめなサウンドに変わっているので以前のような落ち着いた音が好き、という場合はその違いに驚くかもしれません。
ノイズキャンセリング機能も「MTW2」から強化され、一般的な環境であればほぼ不満が出ないだけの性能に進化しています。また、ノイズキャンセリング機能やトランスペアレント(外音取込)モードのオン・オフで音質に変化が現れるようなこともなく、気軽にそれぞれの機能を切り替えられますが基本的にはノイズキャンセリング機能をオンにして聴き、トランスペアレントモードは必要に応じてタッチで切り替えるという使い方が良いのではないでしょうか。
また、「MTW2」と「MTW3」をそれぞれ取り替えつつ比較試聴していて実感したのが、「MTW3」の「つまみやすさ」でした。「MTW2」は円錐台形をしていて表面もなめらかなため、充電ケースから取り出す時や耳に装着する時などについ指がすべってしまうことが…。「MTW3」のハウジングには直線があり、シリコン製のイヤーフィンが装着されていることもあって、しっかりとホールドできるので取り出しや装着も安心です。
さて、ここまでは「MTW2」との比較でしたが、経常的にもサウンド的にも、もしかして近いのは「CX Plus True Wireless」なのでは?と思いそちらとも比較してみました。
明るめなサウンドやノイズキャンセリング機能の効き具合などは確かに「CX Plus」寄りであるものの、聴き比べてしまうとやはり音のなめらかさや低域の沈み込みなど、音質面はさすがに「MTW3」の方が高いレベルで仕上がっていることがわかります。
ゼンハイザーが送り出す完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルとして、求められる性能をきっちりと詰め込んできた印象です。
型式 | ダイナミック・カナル型 | 感度 | 107 dB SPL (1kHz / 1mW) |
---|---|---|---|
コーデック | SBC 、 AAC 、 aptX™ 、 aptX™ Adaptive | 動作時間 | イヤホン本体:最大7時間 / ケース併用で最大28時間( iPhoneボリュームmid、ANC/TH off ) |
充電時間 | 1.5時間(フルチャージ)/ 10分(1時間動作) | 本体重量(イヤホン + ケース) | 約 78 g(11.6 g + 66.4 g) |
【商品情報】SENNHEISER MOMENTUM True Wireless 3
» 詳細を見る
ゼンハイザーのノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホン最新モデル・MOMENTUM True Wireless 3は、
・DPSやマイクを追加することで強化されたノイズキャンセリング機能と、レベル調整可能なトランスペアレントモードを搭載
・ファブリック素材を採用した充電ケースやカスタマイズ可能なタッチコントロールなど、MTWシリーズならではの良さはそのまま継承
・ゼンハイザーらしさを残しつつも明瞭感と芯を感じさせる進化系サウンド
と、今回も定番モデル化間違いなし!といった非常に完成度の高い製品になっています。
発売は5月20日(ホワイトモデルは夏頃予定)、残念ながらすでに初回入荷分はすべてご予約完売となっておりますが、入荷次第順次お渡しのご予約を引き続き受付中です。
試聴機も本日より展示開始しましたので、ぜひ店頭でお試しください!