ソニーの最新ノイズキャンセリングワイヤレスヘッドホン「SONY WH-1000XM5」はシリーズ最高レベルのノイキャン機能とアンビエントモード搭載といった高機能と高音質設計で大注目です。発表されたばかりのWH-1000XM5をさっそくレビューします。
SONY WH-1000Xシリーズとは
WH-1000XM5の外観と特徴
WH-1000XM4との外観比較
音質レビュー
製品仕様
まとめ
ソニーのノイズキャンセリング機能つきワイヤレスヘッドホンは「WH-1000X」シリーズとしてこれまで4モデルが発売されています。その初代機「MDR-1000X」が発売されたのは2016年10月、今から5年半ほど前のことでした。
以来、
2017年10月・・・WH-1000XM2発売
2018年10月・・・WH-1000XM3発売
2020年9月・・・WH-1000XM4発売
と、着実に進化を続けてきたこのシリーズですが、ついに5世代目となる最新モデルが本日発表されました!
その名はもちろん「WH-1000XM5」です!
今回はこちらのWH-1000XM5について、その特徴と音質をいち早くお伝えしたいと思います。
まずはパッケージの外観からチェックしましょう。すでに発売されている完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」などと同じく、サトウキビや竹、リサイクル紙を由来とするオリジナルブレンドの再生紙を使用したエコパッケージを採用しています。カラーバリエーションはプラチナシルバーとブラックの2色です。
パッケージを開けると、専用キャリングケースに収められたWH-1000XM5が登場!
ややシャープなデザインとなったキャリングケースは、本体と同じカラーのものがそれぞれに付属しています。真横から見るといわゆるクサビ型をしているのがちょっと新鮮です。
パッケージの内容物がこちらになります。本体、キャリングケースのほかには充電用USBケーブル、ヘッドホンケーブル(約1.2 m)、保証書と必要なもののみで構成されている印象です。なお、マニュアルはパッケージ同様、資源保護の観点からQRコードを読み込む形式のオンラインマニュアルとなっています。
さて、ひととおりパッケージの確認も終わったところで、前モデルであるWH-1000XM4と比べてどこがどう変わったのか?というところを見ていきたいと思います。XM4とXM5を並べてみると、
・ヘッドバンドのデザインがシンプルになった
・ハウジングとヘッドバンドをつなぐ「アーム」がなくなった
という変更点がぱっと目につきます。
実はぱっと見ではわからない変更点も存在します。このハウジングを寝かせた「スイーベル状態」にした時、XM4とXM5では左右が逆になっているのです。
比較的地味な違いではありますが、耳から外して首にかけた場合、XM5だと「ヘッドホンの内部(ドライバー)が外側を向く」ことになりますのでご注意下さい。
もうひとつ、XM4ではキャリングケースに収納する時、片側のハウジングを内側に折りたたむ機構がありましたが、XM5ではなくなっています。
こちらがハウジングとヘッドバンドとの接続部のアップです。左のXM4がメカっぽいデザインだったのに対し、XM5では有機的なデザインになっているのがわかります。
ヘッドバンドの伸縮位置も変わりました。XM5ではハウジングの近くで伸び縮みさせるので、装着後の調整はやりやすくなったように感じます。
ヘッドバンドの伸縮、といえば位置だけでなく仕組みも変わったようで、XM4ではスライダーを伸び縮みさせるたびにカチカチとラッチ音が鳴っていたのに対し、XM5は「無段階スライダー」の採用でスムーズに伸び縮みする方式になっています。
ほかにも、ヘッドバンドとハウジングの接続部を動かした時にカチャカチャと音がしないノイズレス設計が施されており、ヘッドホン自体が発生するノイズも最大限抑え込もうという意気込みが感じられます。
機能面でも変わった点がいくつかあります。右ハウジングに充電用USB端子、左ハウジングに有線使用時の3.5mmジャックと電源ボタン・操作用ボタンをそれぞれ備えているところは変わっていませんが、操作用ボタンが「CUSTOM」(XM4)から「NC/AMB」(XM5)へと変更されました。
見えない変更点はほかにも、フラッグシップDAP「NW-WM1Z2M」と同じ「金入り高音質はんだ」や大型高音質抵抗の採用や、新開発の専用設計ドライバー搭載など、非常に細かい部分に及んでいます。
もちろん、初代モデル「MDR-1000X」から好評を博しているタッチコントロールパネルの操作感や、右ハウジングを手で覆った時だけ音楽の音量を絞って周囲の音を取り込むクイックアテンション機能、立体音響「360 Reality Audio」対応といったうれしいポイントはそのまま受け継がれているのも特徴です。
XM4では試験信号音を再生し、装着時の個人差(髪型、メガネの有無、装着ズレなど)を数秒で検出することでユーザーひとりひとりに合わせてノイズキャンセリング特性を最適化するという「NCオプティマイザー」機能がありましたが、これがXM5ではさらに進化して「オートNCオプティマイザー」機能に変わりました。その名のとおり、いちいち測定をすることなくXM5が自動的にノイズキャンセリング特性を最適化してくれます。
専用アプリでも、XM5接続時には「ノイズキャンセリング機能の最適化」という項目が消えていることがわかります。
一方でXM5では「電源が入りました」などの音声アナウンスがなくなり、「ティロン♪」といった効果音だけで通知するようになりました(バッテリー残量のみ音声でアナウンスあり)。
それでは音質もチェックしてみましょう。
今回は発売前ということで、専用アプリ「Headphones Connect」のWH-1000XM5対応版が入ったスマートフォンもお借りしました。アプリ設定で「音質優先(LDAC接続)」「DSEE Extreme:Auto」をそれぞれ選択し、ノイズキャンセリング機能オンの状態で何曲か聴いてみます。
明瞭感あるハキハキとしたサウンドですが、ノイズキャンセルのためにどこかの帯域を強調していたり、逆に弱くなっているような感覚はまったくありません。左右への音場の広がりや立体感もしっかりと感じられ、これで本当にワイヤレスかつノイズキャンセリング機能までオンになっているのか?と不思議な気分になるほどです。
XM4の音と比べてみると、高域と低域の出方に違いを感じます。XM4では高域がスッと立ち消える印象だったのに対し、XM5の高域は伸びやか。また低域も、XM4がややタイトな感じだったのに対し、XM5ではより沈み込むような低域に変化しているといった具合です。
ノイズキャンセリング機能そのものも比較してみると、最強クラスといわれたXM4でもときおり「あ、いま低音を打ち消したな」と気がつくような、本当にかすかなホワイトノイズがありましたが、XM5ではそれもほとんど感じることがなく、ますます自然なノイズキャンセル効果を生み出しています。
また、アンビエント(外音取込)モードの進化にも驚かされました。XM4ではいかにもマイクで集音したものを聞かされている、という感じの聴こえ方をしていましたが、XM5はそこがより自然に、外音の定位感もしっかりと伝わるように聴こえるという違和感のなさです。さすがにエアコンの風切り音などは人間の耳よりも拾いやすいようですが、「ヘッドホンを外した状態」に近い感覚で外音を聴くことができるという意味ではトップクラスの性能の高さであると思います。
型式 | 密閉, ダイナミック | ドライバーユニット | 30mm |
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感度 | 102 dB/mW(有線接続時、POWER ON時)、100 dB/mW(有線接続時、POWER OFF時) | 対応インピーダンス | 48 Ω(1 kHzにて)(有線接続時、POWER ON時)、16 Ω(1 kHzにて)(有線接続時、POWER OFF時) |
電池持続時間(連続音声再生時間) | 最大30時間(NC ON時)、最大40時間(NC OFF時) | 有線接続時NC動作時間 | 最大28時間 |
充電時間 | 約3.5時間 | 出力 | Bluetooth標準規格 Power Class 1 |
対応Bluetoothプロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP | 対応コーデック | SBC、AAC、LDAC |
入力プラグ | 金メッキL型ステレオミニプラグ | 質量(g) | 約 250g(ヘッドホン部) |
【商品情報】SONY WH-1000XM5
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ソニーのノイズキャンセリング機能つきワイヤレスヘッドホンシリーズ最新モデル「WH-1000XM5」は
・ノイズレス設計で本体からのノイズも抑えた有機的なデザイン
・シリーズ最高レベルのノイズキャンセリング機能とアンビエントモードを搭載
・明瞭で伸びやかな高域と沈み込む低域がワイヤレス&ノイズキャンセリングオン状態でも楽しめる
と、ノイキャンワイヤレスの最高峰モデルにふさわしいヘッドホンとなっています。
移動時や作業時に集中できる静かな環境が欲しいという方はもちろん、これまでのノイキャンモデルはなんだか苦手で…という方にもぜひお試しいただきたい製品です。
WH-1000XM5は本日よりご予約受付開始、発売は5月27日を予定しておりますのでぜひご検討ください!