密閉型ヘッドホンDan Clark Audio(旧MrSpeakers)STEALTHが待望の日本上陸です。フジヤエービック独占販売の平面磁界ドライバーとオリジナルテクノロジー「AMTS」を搭載した「STEALTH」の音質レビューをお届けします。
Dan Clark Audioとは
Dan Clark Audio STEALTHの外観と特徴
Dan Clark Audio STEALTH音質レビュー
製品仕様
まとめ
Dan Clark Audio(ダンクラークオーディオ)というブランドをご存知でしょうか?旧名「MrSpeakers」、というとお分かりの方も多いかと思います。2012年にダン・クラーク氏によって設立されたオーディオブランド「MrSpeakers(ミスタースピーカーズ)」は当初、その名のとおりスピーカービジネスを手掛けていましたが、やがて他のメーカーの改造ヘッドホン(海外ではMODと呼ばれます)で有名となりました。その後オリジナルのヘッドホン開発もスタートさせ、特に2015年に日本上陸をはたした平面駆動型ヘッドホン「ETHER(開放型)」「ETHER C(密閉型)」は大変な人気を集めました。
そのDan Clark Audioが誇るフラッグシップモデル「STEALTH」(ステルス)がついに日本での発売決定!こちらは当店フジヤエービックの国内独占販売となります!
今回はこのSTEALTHについて、詳細と音質について詳しくお届けいたします。
STEALTHのパッケージ内容は本体、ケーブル(約1.8m)、キャリングポーチ(写真はレビュー用サンプルのため未撮影・製品版には付属します)、マニュアル類となります。
こちらがSTEALTH本体です。MrSpeakers時代のAEONシリーズを継承したような「D」型のカーボンとアルミを組み合わせたハウジング、チタン合金製ワイヤーフレームのヘッドバンドと幅広のヘッドパッドで構成されています。
ステルス航空機からヒントを得たこのデザインは「Stealth Mechanical design」と名付けられています。
イヤーパッドは側面にプロテインレザー(人工皮革)、内側にヴィーガンスエードという2種類の素材を組み合わせた構成となっています。厚みも充分にあるため、装着感は良好です。
STEALTHのヘッドバンドはワイヤーとヘッドパッドというシンプルな構成のため、適度な側圧で装着できます。ヘッドパッドの表面にはモデルロゴがステッチされています。
ヘッドパッドにもレザーが使用されていますが、内側にはキルティング加工を施すことで若干クッション性を持たせています。このヘッドパッドは両サイドが伸縮する自動調整タイプです。
STEALTHは415gと数字上はかなりの重さに見えますが、これらのヘッドバンド・ヘッドパッドがうまく重量を分散してくれるようで装着してみるとそれほどの重さは感じません。
STEATHはコンパクトに折りたたむことも可能です。なお、ハウジングを平行にするスィーベル機構はありません。
ケーブルは着脱式で、コネクタはMrSpeakers時代と同じくヒロセコネクタ(HR10A)を採用しています。端子の向きを合わせて押し込むだけでカチッと装着でき、外す時もスリーブ部分を持って引っ張るだけで簡単に脱着可能なコネクタとなっています。
ケーブルは銀メッキ無酸素銅を導体に採用した、オリジナル設計の「VIVO Super-Premium Headphone cable」です。
STEALTHに搭載されているのはもちろんDan Clark Audio自慢の平面磁界ドライバーで、今回で第4世代となるとのことです。サイズは72mm x 50mmとETHER 2などで使用されていた第3世代ドライバーから20%大型化しただけでなく、低音のレスポンスを改善し、歪みを低減した新開発のドライバーとなります。
さらにもうひとつ、STEALTHのために開発されたものが「Acoustic Metamaterial Tuning System (AMTS)」です。これはドライバーの前にセットされるチューニング用フィルターで、ハニカム(蜂の巣)構造により高音域の耳障りな成分である高周波定在波を低減し、位相を改善することで滑らかなサウンドステージを実現するというものです。
ちなみに、このAMTSの説明の最後にはダン・クラーク氏からこんなメッセージが添えられていました。
「でも録音状況の悪いものは悪いまま聴こえるよ、我々は魔法使いじゃないからね!」
それではSTEALTHの音質についてもチェックしていきたいと思います。今回はDan Clark Audioのフラッグシップモデルということなので、当店試聴コーナー最高峰となる
・MSB Technology Discrete DAC Plus
・MSB Technology PREMIER HEADPHONE AMPLIFIER
の組み合わせで聴いてみましょう。
平面磁界ドライバーというと繊細でフラット、というイメージが強くありますが、このSTEALTHに関しては「密度の高い、中身の詰まったサウンド」という印象です。
音場はあまり広さはありませんが、頭部の周囲に前後左右にぐるりと展開されるため臨場感が非常に高くなっています。ややカッチリした感じのスピード感ある高域と、しっかりと深く沈み込む低域とがリスナーを包み込む中で、ボーカル域がふわっと浮かび上がるように現れ、スッと消えていくように表現されるため、歌モノを聴く際の没入感はかなりのものです。
各音の分離感・定位感も良好ですが、一音一音を精密に配置するというよりも自然に浮かびあがってくるような感覚を受けます。ためしにポータブルプレイヤーでも試聴してみましたが、高出力のプレイヤーでないと特に中低域の表現が甘くなってしまうようです。アンプやDACなど上流の機器を良くすればするほど、その実力を発揮してくれるヘッドホンです。
ドライバー | 平面磁界型 (51 mm x 71mm) | 歪率 | 0.02% ( 94dBSPL@1 kHz) |
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周波数特性 | 20Hz – 20kHz (0.03%以下、94dB@ 1kHz ) | 感度 | 87dB/mW |
抵抗 | 23 ohm | 重量 | 415g |
【商品情報】Dan Clark Audio STEALTH
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Dan Clark Audioのフラッグシップモデルとなる密閉型ヘッドホン「STEALTH」は
・ステルス航空機からヒントを得た「Stealth Mechanical design」
・新開発の平面磁界ドライバーとオリジナルテクノロジー「AMTS」を搭載
・密度の高い、音が自然に浮かび上がるかのような中身の詰まったサウンド
と、日本のヘッドホンファンの期待を裏切らない完成度を持った製品に仕上がっています。
STEALTHは本日からご予約受付開始、発売は9月2日となります。試聴機もご用意いたしますので、久々の新モデル上陸をはたしたDan Clark Audioのサウンドをぜひお試しください。