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2022.09.30
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【音質レビュー】GRADO GS1000/GS3000はウッドハウジングから進化した新時代ヘッドホン

【音質レビュー】GRADO GS1000/GS3000はウッドハウジングから進化した新時代ヘッドホン

アメリカン・サウンドが楽しめるヘッドホンとして高い人気のGRADO GSシリーズが新たにモデルチェンジしました。今回は単なる『木のヘッドホン』じゃない…?!新時代ハイブリットモデル「GS1000x」「GS3000x」の秘密に迫ります。

フジヤエービック店舗イメージ
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GRADO GSシリーズとは

アメリカのヘッドホンメーカーといえば?と聞かれてその名を挙げる人も多いのが、1953年にアメリカ・ニューヨークのブルックリンで設立されたGRADO(グラド)ではないでしょうか。昨年6月より「SR」で始まるPrestigeシリーズ、「RS」で始まるReferenceシリーズを次々にリニューアルしてきたGRADOですが、今回ついに「GS」で始まるStatementシリーズも”Xドライバー”を搭載した新モデルへと生まれ変わりました!

GS1000xとGS3000x
GS1000xとGS3000x

今回はリニューアルを迎えたGS1000x・GS3000xそれぞれについて、詳細と音質レビューをお届けいたします。

GS1000xの外観と特徴

まずはハウジングの色味が薄い、GS1000xからご紹介しましょう。ハウジング材にはこれまでの歴代「GS1000」モデルと同じマホガニー材を採用しているのですが…

GS1000x
GS1000x

GS1000系としては初めて、ハウジングにマホガニーのほかに”イペ材”を組み合わせた「バイ・ウッドデザイン」を採用しました。イペは南米に広く分布するノウゼンカズラ科の広葉樹で、防腐・防虫効果のあるラバコールという成分を含み、耐久性も高いことからウッドデッキなどに多く使用されている木目の詰まった硬質な木材です。

ドライバー

ドライバーには直径50mmのXドライバーを搭載しています。

GS1000xのハウジングはマホガニーとイペのバイウッド
GS1000xのハウジングはマホガニーとイペのバイウッド

ヘッドバンド、アーム

ヘッドバンドやアームはGRADOでおなじみのシンプルなつくり。ヘッドバンドはレザーでおおわれているものの、クッション性のないタイプです。昨年末に発売されたRS1x/RS2xと同じく、白いステッチが施されています。

ヘッドバンドはシンプル
ヘッドバンドはシンプル

イヤーパッド

イヤーパッドはGRADO最大のおわん型をした「Ear Pad G」です。

イヤーパッドはEar Pad G
イヤーパッドはEar Pad G

ケーブル

ケーブル長は1.7m(バランス接続モデル「GS1000x Balanced」は1.8m)で、線材には加工された際に生じた残留応力(素材の内部に残る加工時のストレス)を加熱処理によって除去する『スーパーアニール処理』を施した「スーパーアニールカッパー12芯ケーブル」を採用しています。

被膜も耐久性の高いものを採用していますが、その代わりかなり硬めでお世辞にも取り回しは良いとはいえません。このあたりの「GRADOらしさ」は今も昔も変わらないようです。

プラグ

プラグは6.3mm
プラグは6.3mm

写真の通常モデルは6.3mm標準プラグ、バランス接続モデル「GS1000x Balanced」は4pinXLR端子となります。

GS3000xの外観と特徴

続いてハウジングの色味が濃い、GS3000xのご紹介です。ハウジング材には前モデル「GS3000e」と同じく、近年のGRADO製品では多く使われているココボロ材を採用しているのですが…

GS3000x
GS3000x

なんとGS系としては初めて、アルミ製メタルチャンバーを採用!そう、このGS3000xに関しては厳密には「木のヘッドホン」ではなく、ハイブリッド構成のまったく新しいヘッドホンへと進化したモデルとなったのです!

ドライバー

ドライバーにはGRADO最大級となる、直径52mmのXドライバーを搭載しています。

GS3000xのハウジングはココボロとアルミの組み合わせ
GS3000xのハウジングはココボロとアルミの組み合わせ

ヘッドバンド

ヘッドバンドはGS1000xよりもかなり幅広で、若干クッションを効かせたタイプです。白いステッチも施されています。

ヘッドバンドは幅広タイプ
ヘッドバンドは幅広タイプ

GS1000x(左)とGS3000x(右)のヘッドバンドを比べてみると、これだけの幅の違いがありました。

左:GS1000x、右:GS3000x
左:GS1000x、右:GS3000x

イヤーパッド、ケーブル

イヤーパッドもGS1000x同様、「Ear Pad G」が使われています。

イヤーパッドはEar Pad G
イヤーパッドはEar Pad G

ケーブル長は1.7m(バランス接続モデル「GS3000x Balanced」は1.8m)、線材に「スーパーアニールカッパー12芯ケーブル」を採用しているのはGS1000xと共通です。

プラグ

プラグは6.3mm
プラグは6.3mm

同様に通常モデルは6.3mm標準プラグ、バランス接続モデル「GS3000x Balanced」は4pinXLR端子となっています。

GS1000x・GS3000x音質レビュー

それでは音質の方も確認したいと思います。今回はヘッドホンアンプに同じアメリカのブランド・SPLの「Phonitor se With DAC768xs」をセレクトしてみました。

まずはGS1000xから聴いてみましょう。

GS1000xとPhonitor se With DAC768xs
GS1000xとPhonitor se With DAC768xs

やや温かみのあるエネルギッシュな中低域の厚みに、外見からはなかなか想像できないような繊細さも表現できるダイナミックレンジの広さが特徴的なヘッドホンです。音漏れ、というレベルでは収まらない開放的なつくりもあり、左右への音の広がりも充分。ウッドハウジング特有の響きも感じられ、聴いていてとにかく楽しいというGRADOならではのサウンドが味わえます。

【商品情報】GRADO GS1000x

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GRADO GS1000x

続いてGS3000xの試聴です。

GS3000xとPhonitor se With DAC768xs
GS3000xとPhonitor se With DAC768xs

傾向としてはGS1000xと似ており、音の全体的なウォーム感、ウッドの響きなども共通してはいるものの、大きく異なる点が高域表現です。アルミチャンバーの影響か、柔らかな中に一本ピッと芯が通ったような高域の主張が感じられます。音場表現もさらにひとまわり広がって、奥行き感も増した印象です。GS1000xでは音が丸くなりすぎる、という場合はこちらのGS3000xがちょうど良いのではないでしょうか。

一方で、やはりケーブルの取り回しは正直にいって良くはありません。硬いのでGRADOヘッドホンの宿命ともいうべき「ハウジングがくるくる回ってケーブルがねじれてしまう」現象は起こりにくいのですが、使用の際にはあまり身体を動かさないような姿勢で聴くのが良さそうです。

【商品情報】GRADO GS3000x

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GRADO GS3000x

製品仕様

GRADO GS1000x

GRADO GS3000x

GRADO GS1000x商品イメージ
GRADO GS3000x商品イメージ
ドライバー方式

50mm 径ダイナミック型

52mm 径ダイナミック型

形式

開放型

開放型

ハウジング

マホガニー/イペ

ココボロ/メタル

周波数特性

8 - 35 000Hz

4 - 51 000Hz

感度

99.8dB/mW

99.8dB/mW

インピーダンス

38Ω

38Ω

重量 (ケーブル含まない)

260g

400g

ケーブル長

約 1.8m

約 1.7m

入力端子

6.3mm標準プラグ

6.3mm標準プラグ

商品情報

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まとめ

GRADOの人気開放型ヘッドホン・GSシリーズ最新作となる「GS1000x」「GS3000x」は
・GS1000xはマホガニーとイペ、GS3000xはココボロとアルミの2種類を組み合わせたハウジング
・耐久性の高い被膜でおおわれた「スーパーアニールカッパー12芯ケーブル」を採用
・エネルギッシュな中低域の厚みと、意外なほど繊細な表現の両方が楽しめるダイナミックレンジの広さ

などが特徴の、長く愛されているGSシリーズからまた一歩新しい進化をはたした2モデルとなっています。

GS1000xおよびGS3000xは本日よりご予約受付開始、発売は10月7日を予定しております!なお初回入荷数は通常モデル・バランス接続モデルとも少なくなっておりますので、ご予約はお早めに。試聴機も本日ただいまから店頭にご用意しておりますので、新しいGSシリーズのサウンドをぜひ店頭でお試しください。

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