国内音響機器メーカーaudio-technica(オーディオテクニカ)から完全ワイヤレスイヤホン「ATH-CKS30TW」と、ついに登場の軟骨伝導式ワイヤレスヘッドホン「ATH-CC500BT」が発表されました。今回はこの2モデルをレビューします。
audio-technica(オーディオテクニカ)とは
audio-technica ATH-CKS30TWの外観と特徴
audio-technica ATH-CKS30TW音質レビュー
製品仕様
audio-technica ATH-CC500BTの外観と特徴
audio-technica ATH-CC500BT音質レビュー
製品仕様
まとめ
創立60周年を迎えた国内音響機器メーカーの代表格、audio-technica(オーディオテクニカ)といえば、幅広いラインナップのイヤホン・ヘッドホンを販売していることで知られているブランドです。
最近では、深紫外線照射による除菌システムを充電ケースに内蔵した完全ワイヤレスイヤホン「ATH-TWX9」が発売以来非常に高い人気を集めています。
【音質レビュー】audio-technica ATH-TWX9は欲しい音質と機能を実現したノイキャンワイヤレスイヤホン
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そんなおなじみのオーテクから、本日2種類のモデルが新たに発表されました!それがこちら、完全ワイヤレスイヤホンの新型エントリークラス「ATH-CKS30TW」と、
ついにラインナップに加わることとなった”軟骨伝導”式ワイヤレスヘッドホン「ATH-CC500BT」です!
今回はこの2モデルについて、詳細と音質をそれぞれ詳しくお届けいたします。
まずは完全ワイヤレスイヤホンの新型モデル「ATH-CKS30TW」からご紹介しましょう。こちらはオーディオテクニカの重低音モデル「SOLID BASS(ソリッドベース)」シリーズのエントリークラスとなり、BK/BL/PK/WHの4色が用意されています。
ATH-CKS30TWのパッケージ内容は本体、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、イヤーピース(XS/S/M/L)、マニュアルなど各種ドキュメントとなっています。
ATH-CKS30TWはタッチコントロール操作が可能です。左側のタッチで音量アップ・ダウンを、右側のタッチで再生・停止や曲戻し・曲送りを操作します。また、左の長押しで重低音用イコライザーのON/OFF、右の長押しでトークスルー(再生音量を下げて外音取込を行う)機能のON/OFFをそれぞれ切替可能です。
ATH-CKS30TWのステム(軸)はやや短めなため、イヤーピースはいわゆる完全ワイヤレスイヤホン専用の短いもののみ使用可能です。
ワイヤレスモデルにつきものの専用アプリは、audio-technicaのワイヤレス製品共通の「Connect」となっています。アンビエンスコントロール(外音取込)の調整やイコライザーの設定、左右の音量バランス調整などがこのアプリから行えます。
※写真のアプリは開発中のバージョンのため、製品版では一部異なる場合があります
この中で「おおっ」と思ったのが、ボリュームステップという項目です。これはボリュームの調整幅を16段階・32段階・64段階の3パターンに切り替えられる項目なのですが、ワイヤレスイヤホンでよくある「もうちょっと音量を上げたい・下げたい」を実現できる機能です。
それではATH-CKS30TWの音質チェックとまいりましょう。スマートフォンと組み合わせて、サブスク音源を何曲か聴いてみます。
さすが日本人の音の好みを追求して60年のオーテクだけあって、ボーカルなどの中低域が非常にわかりやすく主張してくれる聴きやすさ抜群のサウンドです。ATH-TWX9など上位モデルと比べるとやはり分離感など甘いところはありますが、SOLID BASSシリーズならではの量感たっぷりの低域もあり、それでいて中高域を潰すことのない絶妙なサウンドバランスという、迷った時にはコレでOK!的な安心感を持ったモデルだと思います。
専用アプリ「Connect」との組み合わせでは先にご説明した「ボリュームステップ」切替がやっぱり便利でした。サブスク音源をいろいろ聴いていると、どうしても曲ごとに音量が異なることも多いため細かく変更できるというのは非常にありがたい機能です。ユーザーの使い勝手もしっかり研究されていることがわかります。
通信方式 | Bluetooth 標準規格 Ver. 5.1 準拠 | 対応コーデック | AAC、SBC |
---|---|---|---|
保護等級 | IP55 | 連続再生時間 | 約 7.5 時間、充電ケース併用で最大約 20 時間 |
感度 | - | 質量 | - |
【商品情報】audio-technica ATH-CKS30TW
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続いてはオーディオテクニカ初となる”軟骨伝導”方式採用のネックバンド型ヘッドホン「ATH-CC500BT」をご紹介したいと思います。カラーはBG/BKの2色展開です。パッケージ内容は本体、充電用USBケーブル、ポーチとかなりシンプルです。
操作系は物理ボタンとなっており、右側の振動ドライバー部にあるボタンで電源ON/OFF、左側の振動ドライバー部のボタンで再生・停止やスマホの音声アシスタント起動を行います。ネックバンドの左側下部には音量のアップ・ダウンおよび曲戻し・曲送りを行うボタンと、充電用のUSB端子が設けられています。
電源ONでネックバンドの右側にほんのりランプが光ります(矢印部)。
こちらがATH-CC500BTの振動ドライバーです。
この三角形の部分を「耳珠(じじゅ)」と呼ばれる耳の軟骨部に当てて振動を伝えることで音を聴くわけですね。
ところで、ATH-CC500BTがなぜ骨伝導ではなく”軟骨伝導”と名乗っているのかについて、ここでご説明したいと思います。いわゆる骨伝導方式は振動の元となる振動子を頭部に当てて、骨を振動させることでその奥にある「蝸牛(かぎゅう)」という音の情報を脳に伝える役割をもつ器官に音を伝える仕組みです。
いっぽう、このATH-CC500BTが採用した”軟骨伝導”方式は、耳の軟骨に伝わった振動が外耳道(耳穴)の「壁の軟骨」にも伝わり、その中で空気が振動して音が生まれ、普通に音を聴く場合と同じように鼓膜を揺らして脳に音が伝わるという仕組みです。骨伝導と異なり、左右それぞれの鼓膜で音を聴くことになるためステレオ感が損なわれない、という特徴を持っています。
ATH-CC500BTももちろん専用アプリ「Connect」から各種設定の変更が可能です。先にご紹介したATH-CKS30TWに比べるとちょっと項目は少ないですが、コーデック(基本となるAAC/SBCはもちろん、aptX/aptX HDにも対応!)切替やイコライザー設定、左右の音量バランス調整も可能です。
それではATH-CC500BTの音質チェックです。こちらもスマートフォンと組み合わせて、サブスク音源を何曲か聴いてみます。コーデックはaptX HDで接続しています。
まず正直なところ、軟骨伝導という仕組み上、通常のヘッドホンのような音質追及型のサウンドではありません。ですが、そのつもりで聴いてみると意外なほど中低域のしっかりした、オーテクらしい聴き取りやすい音が楽しめるヘッドホンであることに驚きます。音として聴こえる低域はやや弱めですが、ボリュームを上げ気味にすると振動ドライバー部がまるでボディソニックのように耳元を揺らしてくれるので、体感型ヘッドホンとしても楽しめます。
また、”軟骨伝導”方式の特徴というステレオ感については、たしかに違和感なく左右それぞれの音が独立して聴こえる印象です。通常の骨伝導方式では音が頭のまわりで鳴っていてなんとなく音像がぼやけてしまうことがありましたが、「ATH-CC500BT」ではしっかりと頭の中に定位して聴こえるという違いも感じました。当然ながら耳をふさぐこともないので、なにかの作業中に気軽に音楽や動画を楽しむ「ながら聴き」には最適なヘッドホンではないでしょうか。
通信方式 | Bluetooth 標準規格 Ver. 5.1 準拠 | 対応コーデック | aptXTM HD audio、aptXTM audio、AAC、SBC |
---|---|---|---|
保護等級 | IPX4相当 | 連続再生時間 | 約 20 時間 |
感度 | 98dB | 質量 | 約 35g |
【商品情報】audio-technica ATH-CC500BT
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オーディオテクニカによる完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデル「ATH-CKS30TW」の特徴は
・4色展開のポップなカラーリング
・専用アプリ「Connect」で最大64段階に切替可能なボリュームステップ
・中低域メインで聴きやすさ抜群のサウンドと量感たっぷりの低域
オーテク初の”軟骨伝導”方式ヘッドホン「ATH-CC500BT」の特徴は
・装着が簡単なネックバンド方式
・第3の聴覚経路「軟骨伝導」を活用した世界初のヘッドホン
・ステレオ感も定位もしっかり感じられる「ながら聴き」に最適なサウンド
ATH-CKS30TWおよびATH-CC500BTはどちらも本日からご予約受付開始、発売は10月14日を予定しております。
試聴機は発売日にはご用意できるかと思いますので、入荷の際にはぜひ一度お試しください。特に軟骨伝導方式のATH-CC500BTは実際に体験してみると、そのユニークさがよくおわかりいただけると思いますよ。