audio-technica ATH-TWX7をオーディオ専門店スタッフがレビューします。上位モデルから継承した使い勝手のいいデザインと操作性とやや落ち着いたトーンの聴きやすいサウンドが特徴の完全ワイヤレスイヤホンを詳しく紹介します。
目次
audio-technicaの完全ワイヤレスイヤホンとは
audio-technica ATH-TWX7の外観と特徴
ATH-CKR70TWとATH-TWX7を比較
ATH-TWX7の音質レビュー
製品仕様
まとめ
日本を代表するオーディオブランドのひとつ・audio-technica(オーディオテクニカ)。先日開催された「秋のヘッドフォン祭 2023」ではなんと税込1,320万円!という超ハイエンドヘッドホンシステム「鳴神」(なるかみ)を国内初披露したことでも注目を集めましたが、もちろん超高価格帯ばかりのブランドというわけではありません。
ちょっとお小遣いを貯めれば手に入るお手頃価格のモデルから、いつかは手に入れたいと思わせてくれるハイクラスモデルまで、非常に幅広いラインナップを取り揃えているのが”オーテク”として長年親しまれている理由です。
特に昨年9月に発売された完全ワイヤレスイヤホン・ATH-TWX9(以下「TWX9」)では、充電ケースに”除菌システム”を搭載するという今までありそうでなかった機能が大きな話題となりました。
【音質レビュー】audio-technica ATH-TWX9は欲しい音質と機能を実現したノイキャンワイヤレスイヤホン
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そのオーテクから新たな完全ワイヤレスイヤホンが登場!それがこちらの「ATH-TWX7」です!
今回はこのATH-TWX7について、詳細および音質レビューをお送りします。
ATH-TWX7(以下「TWX7」)はTWX9に次ぐミドルクラスのモデルとなり、カラーはGY・WH・BKの3色展開となっています。
充電ケースもTWX9と同じく、横から見ると和菓子の桜餅(関東風の「長命寺」)のような丸みをおびた形状となっています。ただし、今回ご紹介するTWX7には除菌機能はありません。
ちなみに、イヤーピースの色もそれぞれの本体色と同じになっているというこだわりポイントもありますよ。
TWX7のパッケージ内容は本体、充電ケース、充電用USB Type-Cケーブル、布製ポーチ、マニュアルなど各種ドキュメント、そしてイヤーピース(「Soft」と「Normal」の2種・各4サイズ)となっています。なお、イヤーピース(Soft)のMサイズはイヤホンに装着済みです。
近年は多くのメーカーで環境に配慮したパッケージングが進んでいますが、このATH-TWX7でもやはり脱プラスチックの考えが取り入れられているようで、外箱からイヤーピースを入れてある袋にいたるまでほぼすべて”紙製”となっています。
それでは充電ケースからイヤホン本体を取り出してみます(サンプルのカラーはGY)。形状はいわゆるスティックタイプとなっており、こちらも見た目はTWX9そっくり。
ドライバーにはTWX9の設計思想を継承したという、5.8mm径のダイナミックドライバーを採⽤しています。
対応コーデックはSBC / AAC / LDACの3種類です。TWX9と異なりaptX系には対応していない反面、LDACを搭載している点が特徴です。
…余談ですが、こうしてみると型番と同じ「7」に見えますね。
操作系がタッチセンサーと物理ボタンの2種類となっている点もTWX9ゆずり。再生・停止や曲戻し・曲送りは右の、音量アップ・ダウンは左の棒状のパーツについている物理ボタンを押すことで操作します。
ハウジング表面の△マークがタッチセンサーになっており、こちらではノイズキャンセリング機能およびヒアスルー(外音取込)機能の切り替えを行います。
イヤホンの軸(ステム)はかなり短いタイプです。
イヤーピースは「Soft」と「Normal」の2種類が付属していますが、その違いは名前のとおりカサの柔らかさにあります。長時間の使用でも耳への負担が少ない、しっとりと柔らかな傘を持つ「Soft」と、フィッティングの保持を目的に設計された、傘の部分にハリのある「Normal」の、装着感にこだわった2種類のイヤーピースとなっています。TWX9の付属品と異なり、軸の長さはどちらも同じようです。
※TWX9には軸の長さが異なる3種類のイヤーピースが付属
ここで前モデルのATH-CKR70TW(以下CKR70TW)と見比べてみましょう。流線形デザインのCKR70TWに対して、今回のTWX7は直線的なデザインとなっているのがわかります。また、大きく異なるのがステム(軸)の長さとハウジングの形状です。
実際に装着してみても、ステムをしっかりと耳穴に差し込んで固定するCKR70TWに対して、ハウジング全体を耳のくぼみにはめ込んで固定するTWX7というように装着感が結構変わっています。
それではATH-TWX7の音質チェックです。スマートフォンとLDACで接続し、サブスク音源を数曲試聴してみました。
やや落ち着いたトーンで中低域の厚みを感じさせつつ、柔らかさも持ち合わせたサウンドが楽しめるイヤホンです。低域にもしっかりと重さがありますが、量感としては抑え気味になっているので全体的にスッキリとした印象があります。高域はあまり主張せず、刺さる感じもないため非常に聴きやすい音作りとなっているようです。
前モデル・CKR70TWと比較してみると、一番の差は低域の表現にあると感じます。CKR70TWでは質感・量感とも豊かであるのに対し、TWX7では質感はそのままで量感が控えめなためより見晴らしの良い音になっているようです。
また、残念ながらテスト時には公式アプリ「Connect」の対応が間に合わなかったため試すことができませんでしたが、このTWX7にはユーザーの集中と休息をサポートするという「サウンドスケープ機能」が搭載されています。
これは、オーディオテクニカ製のマイクで収録したリラックス効果の高い自然界のサウンドやヒーリングサウンドなどを公式アプリ「Connect」から再生することで、ユーザーの気持ちが”ととのう”機能とのこと。イヤホンを音楽再生の道具としてだけでなく、ウェアラブルデバイスとして活用するというオーテクの新しい取り組みです。
ノイズキャンセリング | 対応 | 外部音取込 | 対応 |
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マルチペアリング | 対応 | 片耳モード | 対応 |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC | 連続再生時間 | イヤホン単体:約6.5時間、ケース込み:約13.5時間 |
【商品情報】audio-technica ATH-TWX7
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