ワイヤレスイヤホンは、ケーブルがなくiPhoneなどのデバイスとワイヤレスで接続するタイプのイヤホンのことです。ワイヤレスイヤホンの選び方や最新のBluetoothオーディオコーデックLC3、LE Audioなどについても詳しく解説します。
目次
ワイヤレスイヤホンとは
ワイヤレスイヤホンの種類
ワイヤレスイヤホンの選び方
ワイヤレスイヤホンを購入する際の注意点
最新Bluetoothオーディオコーデック「LC3」
ワイヤレスイヤホンのQ&A
まとめ
ワイヤレスイヤホンとは、スマホやオーディオプレーヤーなどの音楽を聴くデバイスとBluetoothで接続して使用する、ケーブルがないイヤホンのことです。ケーブルがないため、絡まったり引っ掛けて外れたりなどの煩わしさがない快適さから人気となり、今ではイヤホンの定番となりました。
【2024年】ワイヤレスイヤホンのおすすめ30選!専門店スタッフが厳選
» こちらの記事を見る
左右を繋ぐケーブルが無く、完全に左右独立したワイヤレスイヤホン
左右のイヤホン同士がケーブルで繋がっているタイプのBluetoothイヤホン。首の後ろにケーブルをかけて使います。
左右のイヤホン本体をつなぐケーブル部に形状記憶素材などを採用し、首の後ろにかけて使用するタイプのイヤホンです。
片耳での使用に特化されて設計されており、両耳イヤホンよりも周囲の音が聞きとりやすいため車の運転中や、リモートワークでの通話に適したイヤホンです。
ワイヤレスイヤホンはその人気の高さからたくさん販売されています。その中から選ぶのは大変ですよね。
選び方のポイントは、
・どんな時に使用するか
・何を重視したいか
・どんな音が好みか
です。
重視したいポイント毎にチェックしたい内容を解説します。
ノイズキャンセリングとは、簡単に言うと周りの騒音をカットする機能のことです。周囲の音がカットされるため音量を上げ過ぎなくてもクリアな音質で聴き取れるので耳にも優しいというメリットもあり、電車内やカフェで周囲の騒音を気にせず音楽を楽しめることから人気が高まっています。
イヤホンに内蔵されたマイクを使って周りの音を集音し、その音を耳に伝える外音取り込み機能や、スマホに専用アプリをインストールすることでノイズキャンセリング・外音取り込みの強度やイコライザーを調整できるワイヤレスイヤホンもあります。調整できることで活用の幅が広がりますので、特に外出先で使用したい方におすすめです。
ワイヤレスイヤホンはBluetooth接続方式で音声データを無線で届けます。そのため、混雑した電車内やたくさんの人が行き交う繁華街などでは、互いに干渉してしまい、通信が途切れてしまうことも。
より通信が安定するものを求めるのであれば、Bluetooth規格を確認しましょう。Bluetooth規格はバージョンが上になればなるほど通信速度や通信範囲、省電力性などの性能は高くなります。方向探知機能追加によりBluetooth機器が発信している信号の方向を特定が可能になった5.1以上がおすすめです。
※スマホやDAP(デジタルオーディオプレーヤー)など送信側も対応している必要がありますのでチェックしておきましょう。
ノイズキャンセリング機能はもちろん魅力的だけど特にこだわらないのであれば選択肢が広がります。声優のシステムボイスやプリセットイコライザーが楽しめるアニメやVtuberとのコラボイヤホンなど機能だけではないサービスを楽しめるワイヤレスイヤホンもおすすめですよ。
おしゃれなイヤホンはもちろんですが、気になるのは装着感ですよね。装着感は個人差が大きいので購入前に確認する事が難しいポイントですが、女性や耳が小さい方は、サイズ感と重さをチェックしましょう。
ワイヤレスイヤホンの重さは平均すると片耳6gです。長時間の使用や耳が小さめという方は片耳4g~6gくらいのワイヤレスイヤホンがおすすめです。
大きいサイズのイヤホンでも装着感が良く、驚くほど快適に使用できるイヤホンもありますのでレビューなどを参考にして選びましょう。
イギリスのBowers&Wilkinsや北欧デンマークのBang & Olufsenなどのハイブランドのオーディオメーカーが続々とワイヤレスイヤホンへ進出しています。ヘッドホン・イヤホンの分野で高い評価を獲得しているfinalなど日本のオーディオブランドにも注目です。
屋外で使用するなら耐汗耐水性能IPX4以上のものがおすすめです。IPXとは防水性能を表す規格のことで、数字が大きいほど防水性が高く、ワイヤレスイヤホンの場合、IPX4以上であれば、汗や雨で濡れても大丈夫です。
さらに、水洗いで汚れを落としたい場合はIPX5以上を選びましょう。ただし、IPX5は水洗いOKでも水没はNGです。耐汗耐水性能は規格によって異なりますので事前に確認してからの購入をおすすめします。
片耳モードとは、完全ワイヤレスイヤホンの片方をケースに戻しても、もう片方のイヤホンの音楽が途切れることなく、自動的に音が聞こえるできる機能のことです。片方の耳を空けて音を聞きたい場合や、充電が切れそうなときなどに、片方だけケースに閉まって充電しながら長く使用することができます。
マルチペアリングは、1つの子機に対して複数の親機を登録できる機能のことです。
例えば、ひとつのワイヤレスイヤホンをPCとスマホ両方に登録して使用するといったことが可能になります。マルチペアリング機能がない場合は、使用するたびにペアリング情報の登録と削除が必要になってしまいますので、複数のデバイスで使用したい場合は、何台マルチペアリングが可能か事前に確認をしておきましょう。
マルチポイントは、同時に2台の親機と接続ができる機能のことです。
例えば、マルチポイント対応のワイヤレスイヤホンを着けてPCで動画を観ているときにスマホに電話がかかってきた場合に、同じワイヤレスイヤホンを着けたままスマホの電話に出ることが可能になります。ワイヤレスイヤホンを外す手間が省けるので便利です。
耳を塞がないイヤホンは耳への負担が少ないため疲れにくく、周囲の音が聞こえるため周囲に注意を払えるなどのメリットがあります。空いている状態という特徴から音質面では不利な面がありますが、骨伝導技術を搭載したものや音質の進化がみられる製品も登場しており、注目度の高い製品といえるでしょう。
ワイヤレスイヤホンを購入する際は、イヤホンと接続するオーディオ機器の「Bluetoothバージョン」および「コーデック」に対応しているか確認します。「Bluetoothバージョン」と「コーデック」が対応していないと、使用できない場合があるためです。
Bluetoothにはバージョンがあります。バージョンは「Bluetooth5.0」や「Bluetooth4.0」というように表記される数字の部分です。バージョンが上になればなるほど通信速度や通信範囲、省電力性などの性能は高くなりますが、バージョンによる音質の違いはありません。
Bluetoothはバージョン3.0以前と4.0以降では互換性がなく、相互に接続することができません。現在世に出回っているBluetooth機器は、ほぼ全てがバージョン4.0以降に対応していますので、Bluetoothの互換性については気にする必要はなく接続させることができます。
ver4.0 | 大幅な省電力化LE(Low Energy)を実現できる低消費電力機能を実装、転送速度は1Mbpsに | ver4.2 | LEのデータ転送速度が2.5倍に高速化 |
---|---|---|---|
ver5.0 | データ転送速度が4.0の2倍、通信範囲が4.0の4倍、通信容量が4.0の8倍に強化、メッシュネットワークに対応 | ver5.1 | 方向探知機能追加によりBluetooth機器が発信している信号の方向を特定が可能に |
ver5.2 | LE Audio機能の実装 | ver5.3 | Connection Subratingの搭載によりLE Audio使用時の転送データ量の増強と消費電力節減など、効率化が可能に |
意外と見落としがちなのが「Bluetoothの対応コーデック」です。例えばハイレゾ音質で音楽を聴きたくても対応していないと、通常の音質になってしまいます。事前に対応コーデックを確認しましょう。
SBC | 「A2DP」プロファイル対応の標準コーデック、圧縮送信時にタイムラグが発生するため音の遅延が出てしまう。全てのワイヤレスイヤホンに対応。 | AAC | 「SBC」と変わらない圧縮率で、SBCより高音質。主にiPhoneに対応。 |
---|---|---|---|
aptX | 「SBC」「AAC」と比べると圧縮率・遅延が少なく、高音質再生が可能。主にAndroidに対応。 | aptX HD | 最大48kHz/24bitに対応したハイレゾ音質伝送が可能。 |
aptX LL(Low Latency) | CD音源と同等の音質でaptXよりさらに遅延が少なく、ゲームや動画視聴に適したコーデック。 | LDAC | SONYが発表したコーデック。ハイレゾ相当(96kHz/24bit)の高音質再生が可能。 |
LC3 | LE Audioの標準コーデックで、より高音質・低消費電力が可能に。 |
最近採用例が増えてきている最新のBluetoothオーディオコーデック「LC3」について解説します。
LC3は、最新のBluetoothオーディオ規格LE Audioのデフォルトのコーデックに採用されました。 Low Complexity Communications Codec の略称で高音質・低消費電力を特徴としています。標準の規格であるSBCの約半分のビットレートで同じ音質を実現できるため、SBCと同じ消費電力でより高音質な音声を楽しめることになります。
LE Audio は、大きく3つ低遅延・複数シェア・低消費を特徴としています。
LE Audio搭載により、機種を選ばずにaptXを超えた低遅延の接続が可能となります。また、ブロードキャストオーディオ機能によりオーディオシェアリングが可能になりました。例えば、自分のスマホの音楽を Bluetooth 経由で周囲の人と共有したり、公共施設のテレビの音声を自分のワイヤレスイヤホンに受信して聞くといったことが可能になります。さらに、消費電力が抑えられるので1日中使用する補聴器などにも採用例が増えることも期待されています。
ワイヤレスイヤホンは前述の通りBluetooth(近距離無線通信規格)、電波を使って通信しているため、接続が不安定になり音が途切れることがあります。原因は以下の通りです。
左右独立した完全ワイヤレスイヤホンは小さく、軽量なので快適ですが、それゆえに落としたりして無くさないか心配になることも。ワイヤレスイヤホンを無くさないための方法をご紹介します。
ワイヤレスイヤホンは2~3年間は使用できると言われています。
ワイヤレスイヤホンの劣化の大きな要因となるのはバッテリーの寿命です。充電することで何度も繰り返し使うようになっていますが、内蔵しているバッテリーには寿命があり、何度も充電を繰り返していると劣化し、次第に充電ができなくなるとイヤホンも使用できなくなります。
また、野外の使用頻度が高い場合は、IPX4(生活防水レベル)以上の防水機能付きを選ぶ、など用途によって最適なイヤホンを選ぶことで安心してお使いいただくことができます。
ワイヤレスイヤホンには寿命がある?充電できなくなったら買い替えのサインかも
» こちらの記事を見る