ソニーの最新ワイヤレスイヤホンSONY WF-1000XM5をオーディオ専門店スタッフがレビューします。小型・軽量化して装着感が向上したWF-1000XM5の便利な機能やハイレベルなノイズキャンセリング、音質の特徴を詳しく紹介します。
目次
SONY WF-1000XM5とは
前モデル(XM4)との比較
専用アプリ「Headphones Connect」
SONY WF-1000XM5の音質レビュー
製品仕様
まとめ
2017年9月に初代モデルが登場してから6年、ついに本日発売を迎えたソニーのノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホン最新モデル「WF-1000XM5」。7月のリリース発表時にもファーストインプレッションをお届けしましたが、その時点ではまだ専用アプリ「Headphones Connect」が未対応だったため、音質や使い勝手については触れることができませんでした。
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その後「Headphones Connect」もバージョンアップにより正式対応、気になる音質やノイズキャンセリング機能などもじっくりとテストすることができましたので、今回は発売開始記念として改めてWF-1000XM5(以下「XM5」)のレビューをお届けしたいと思います。
XM5の外観・付属品については前回のファーストインプレッションでご説明しましたので、今回はさっそく前モデル・WF-1000XM4(以下「XM4」)との比較からやっていきましょう。こちらも繰り返しになってしまいますが、XM5はXM4に比べ体積としては25%ダウン、重さも7.3gから5.9gへと大幅に小型・軽量化されているのが特徴です。
この小型・軽量化が一番影響するポイントは、なんといっても”装着感”です。XM4は発売以来ノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホンの定番モデルとして高い人気を誇ってきましたが、同時に「ノイキャンや音にはまったく不満がないけど、ちょっと自分の耳には大きすぎて…」という声もありました。特に女性の方が装着した場合、イヤホン本体の重さをイヤーピースの一点だけで支える形となりがちで、長時間装着しているとポロっと落ちてしまう、ということもあったようです。
あの時あきらめざるを得なかった皆様、お待たせしました!XM5はしっかりと”耳のくぼみ”全体でイヤホン本体をホールドすることができるサイズとなっていますので、装着感がグーンとアップ!重量も軽くなり、ちょっと首を動かしただけでズレてしまうということもありません。
もうひとつ、前モデル・XM4との違いで見逃せないのが「マイクの飛び出しがなくなった」という点です。XM4ではしっかり集音させるためにどうしてもマイク部分がイヤホンよりも飛び出すようにセットされていましたが、これは同時に「風切り音」を拾いやすいというデメリットも生み出していました。
そのため、専用アプリ「Headphones Connect」には風切り音対策として「自動風ノイズ低減」という項目が設けられていましたが、XM5ではハードウェア上でしっかり対応されたため項目がなくなりました。
この専用アプリ「Headphones Connect」ですが、XM5をはじめとするソニー製ワイヤレスモデルを使う上で欠かせない・あると非常に便利な機能が満載されているのが特徴です。たとえば音質を自分好みに設定するイコライジング機能も、ゲージをああでもないこうでもない…といじる必要はありません。いくつかおすすめの機能を紹介します。
アプリの案内に沿って、より自分の気に入った音の番号をポンポンと数回タップするだけで簡単にカスタマイズできる機能です。
うなずくだけで電話の受信が可能になる「ヘッドジェスチャー」機能、ソニーの立体音響技術”360 Reality Audio”に最適化するための測定機能です。
中でもこれは絶対にやっておくべき!という機能が、イヤーピースの最適なサイズが分かる「装着状態テスト」です。XM5には4サイズのノイズアイソレーションイヤーピースが付属していますが、そのうちどれが自分の耳に一番フィットするのかをアプリが自動的に判別してくれる機能なのです。テスト方法もいたって簡単、試したいサイズを指定して順番に装着・試聴(数秒間流れる音を聴く)を繰り返すだけ。もちろんあきらかに大きい・小さいサイズについては選ぶ必要はありません。
面白いもので、自分ではMサイズが一番合っている…と思っても、こうして測定してみると意外と別のサイズが最適だった、という結果になりました。また、人間の耳の穴のサイズは左右でまったく同じというわけではないので、左右で別々のサイズが最適になるケースもあるようです。
イヤーピースの装着状態は音質・ノイズキャンセリング機能のどちらにも大きく影響しますので、これはXM5ユーザーなら絶対やっておきたいテストですね。
このように便利な機能がたくさん搭載されていますので、ひととおり試してみることをオススメします。
それでは実際にWF-1000XM5の音質をチェックしてみたいと思います。なお、XM5でLDACなど高音質コーデック接続を使用するには、専用アプリ「Headphones Connect」上で設定を「音質優先」に変更する必要があります。
また、今回の試聴ではノイズキャンセリング機能オン、装着状態テストで最適と診断されたSサイズのイヤーピースを装着、アップスケーリング技術「DSEE Extreme」はオフにしています。
おそらくは「ソニーの音」と聞いて大多数の方がイメージするであろう、低域のパンチが効いたノリ良く音楽が楽しめる派手めなサウンドのイヤホンです。前モデル・XM4と音傾向そのものは変わりませんが、前後の音空間がぐっと広がったイメージで立体感が増しているようです。また、搭載するダイナミックドライバー径が6mm(XM4)から8.4mm(XM5)へと大型化したことによるのか、低域の深みも増しているように感じました。
ノイズキャンセリング機能の効き具合については、正直に言ってしまうとXM4から大きく進化したような印象はありません。ただし、これはもともとXM4の時点でかなりレベルの高いノイズキャンセリング性能を誇っていたためで、聴き比べればたしかに暗騒音のうち高い音の成分がより打ち消されているようです。XM5でもハイレベルなノイキャンを実現していることには変わりありません。
【商品情報】SONY WF-1000XM5
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音質面以外では、やはり小型・軽量化による装着感アップの効果が非常に大きく感じられました。特に長時間の装着を必要とする場面では、耳への負担の有無が音質以上に気になるポイントになるかと思います。
ドライバー | 8.4mm径ダイナミックドライバー | Bluetooth | Ver.5.3 |
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ノイズキャンセリング | 対応 | マルチポイント | 対応 |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC、LC3 | 防滴・防水 | IPX4相当 |
充電時間 | イヤホン:約1.5時間、ケース:約 2時間 (USB充電) | 連続再生時間 | 最大24時間 (イヤホン:8時間 + ケース:16時間) |
待望のソニー最新ノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」は、
・前モデルXM4よりも小型、軽量になって装着感が大幅アップ
・イヤーピースの装着状態テストなど専用アプリ「Headphones Connect」の豊富な機能に注目
・ソニーらしい低域のパンチが効いた派手めなサウンドとハイレベルなノイズキャンセリング音質・ノイキャンどちらも妥協したくない、という方にはまさにベストバイなイヤホンとなっています。
WF-1000XM5はついに本日より発売開始!店頭には試聴機もご用意しておりますので、特にXM4はサイズさえなんとかなれば…と思っていた方はぜひお試しを!