HEDD HEDDphone TWO レビュー × 太田タカシ|プロのエンジニアによるヘッドホンレビュー

HEDD HEDDphone TWOをレコーディングエンジニアの太田タカシさんがレビューします。まるでハイクラスの同軸スピーカーで鳴らしているようなサウンドでエンジニア界隈でも注目というHEDDのヘッドホン、詳しく紹介します。
目次
はじめに
HEDD(Heinz Electrodynamic Designs)とは
- HEDDphone Twoとは
HEDDphone TWOの外観と特徴
- ハウジング
- フルレンジAMTドライバー
- ヘッドバンド
- イヤーパッド
- コネクタ
- ケーブル
- 出力について
HEDDphone TWOの音質レビュー
- 試聴環境
- 音質レビュー
- 装着感について
製品仕様
まとめ

レコーディングエンジニア 太田タカシ
1984年千葉県出身、バンド活動をする傍ら専門学校でレコーディングを学び、卒業後は音楽事務所のスタジオに勤務しレコーディングをしつつアレンジの基礎と制作進行を身につけた。その後、リハーサルスタジオ内のレコーディングスタジオでレコーディング・ミックス・マスタリング業務に従事した後、フリーランスに転身。現在はレコーディングの他にもサウンドプロデュースや若手の育成にも力を入れている。
主な作品参加アーティストはIndigo la End・ゲスの極み乙女。・リーガルリリー・グソクムズ・20th Centuryなど。近年はゲーム音楽やVtuberの作品にも参加している。
Twitter: @tario_ Instagram: @tario_
はじめに

みなさんこんにちは、レコーディングエンジニアの太田です。
この秋は、各メーカーからモニターヘッドホンや解像感の高いリスニングヘッドホンなど、レコーディング・ミックス・マスタリング制作で使用したいヘッドホンがいつにも増して多く発売されていて注目をしているのですが、その気になるラインナップの中から今回はHEDD(Heinz Electrodynamic Designs)のHEDDphone TWOをレビューさせていただきます。
HEDD(Heinz Electrodynamic Designs)とは

Heinz Electrodynamic Designs(ハインツエレクトロダイナミックデザイン)は、ドイツ・ベルリンを拠点とする音響機器メーカーです。物理学者のハインツ・クラウスとその息子で音楽学者のフレデリック・ノップ博士によって2015年に設立され、多様なサウンドと多彩な音楽的思考に対応できる完全な制度と信号忠実度を目指して製品を生み出しています。
HEDDのスタジオモニターは国内でも多くのレコーディングスタジオやマスタリングスタジオで採用さてれており、その信頼性の高さがうかがえます。
HEDDphone Twoとは

HEDDphone TWOは、「フルレンジAMTドライバー」という独自の技術で人気を博したHEDDphoneの第二弾モデルです。
メーカーの説明を引用すると「HEDDphone TWOは3年間に及ぶ弛まぬの研究の集大成と前作HEDDphoneのあらゆる側面が、比類のないオーディオ体験を実現するために洗練されました。」とあり、その自信をうかがうことができます。
それでは、少しずつ紐解いていきたいと思います。
HEDDphone TWOの外観と特徴
ハウジング

ハウジングは、開放型(オープンバック)です。四角い特徴的な形状となっています。メッシュ状のハウジングからは、ドライバーがチラリと見える、機能性と美しさを兼ね備えたデザインです。
フルレンジAMTドライバー

イヤーパットを外すと、お馴染みの黄色いプリーツ状のカプトンダイアフラムが見えますが、このフルレンジAMT(エア モーション トランスフォーマー)ドライバーはHEDDphoneから再設計され、グレードアップが図られました。
通常のダイナミックドライバーより良い過度応答と幅広い周波数特性を得ることで自然で歪みのないサウンドを実現しているとのことです。
ヘッドバンド

ヘッドバンドは、軽いカーボン製の素材を採用することで軽量化が図られたほか、カーボンフレーム上の2本のストラップでフィット感を調整することができるようになっています。
HEDDphoneでは1本のヘッドバンドに厚めのクッションという形状だったことから、大きく改変されました。
イヤーパッド

イヤーパッドはしっかりと厚みと柔らかさがあります。装着してみるとすっぽりと耳に収まる感じがします。着圧感はあまりありませんが、しっかり遮音されている感覚を覚えます。
コネクタ

コネクタータイプは3.5mmジャックが採用されており、リケーブルも楽しむことができます。
ケーブル

ケーブルは6.3mmステレオケーブル、4.4mmバランスケーブルのほか、6.3mmステレオジャックを3.5mmステレオジャックに変換するプラグと4.4mmをXLR4Pin変換するプラグが同梱されています。
これだけ揃っていると、どのヘッドホンアンプにも繋げられるので助かりますね。
出力について
ケーブルの豊富さに触れましたが、導入に当たって注意する点がひとつ。このヘッドホンを鳴らすのにはちょっとパワーが必要です。HEDD HEDDphone TWOは、インピーダンス値が41 Ω、再生周波数帯域は10 Hz - 40 kHzとなっています。
実際にオーディオインターフェイスのヘッドホンアウトで試聴しようとしてみたのですが、ボーリュームを大幅に上げてもあまり鳴らなかったので、余裕のあるヘッドホンアンプの方が本領を発揮できると思います。
HEDDphone TWOの音質レビュー
試聴環境

ということで、今回はいつもの試聴環境ではなく、以前レビューしたRMEのAD/DAコンバーター、ADI-2/4 Pro SE もお借りしてMacBook AirでAppleMusicをロスレス再生して試聴しました。
そのほか、現在エンジニアとして参加している楽曲のマスタリング前の音源も合わせて聴いてみました。
RME ADI-2/4 Pro SE レビュー × 太田タカシ|サウンドエンジニアによるAD/DAコンバーターレビュー
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音質レビュー
一聴して感じたのは、同軸スピーカーで聴く音という感覚でした。
一般的な 2way や 3way 構造のスピーカーは、各音域を発音するスピーカーの位置が物理的にずれていますが、同軸スピーカーはウーファーとツイーターをひとつのユニットに組み込まれており、その発音位置を同軸にそろえた形式のものです。
そのため、フラットな音質特性を持っています。
HEDDphone TWOは、同軸スピーカーの感覚に近く、サウンドひとつひとつのピントが合っていて楽器の存在や定位がハッキリと認識できます。低音に関しては誇張した感じがなく、いわゆる原音に忠実でモニターライクなサウンドに感じます。
音量を上げていっても破綻することがなくトランジェントを再現してくれるのでテンポが早くビートが効いた曲も的確に再生してくれます。高域に関しても無理に伸ばしているという感じではなく、自然にシームレスに伸びている印象です。中域から高域にかけてもシームレスに繋がってるイメージなので、ハイクラスの同軸スピーカーで鳴らしている感覚に近いと感じます。
マスタリング前の音源を聴いてみると、演奏やミックスの意図を余すこと無く再現してくれていました。重ねたギターのフレーズや各楽器の距離感、ボーカルのリバーブの種類を選択した意図まで自然に再現しているように聴くことができます。
装着感について
装着してみると、結構重量感があります。側圧は強くなく、ヘッドバンドもクッションがしっかり効いているので装着していて痛みを感じるということはないのですが、長時間の使用は少し辛いかもしれません。
製品仕様
| 形式 | 開放型 | ドライブユニット | AMT with full-range VVT technology |
|---|---|---|---|
| 感度 | 89 dB SPL at 1 mW | 周波数特性 | 10 Hz - 40 kHz |
| インピーダンス | 41 Ω | 質量 | 550g |
【商品情報】HEDD(Heinz Electrodynamic Designs)HEDDphone TWO
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まとめ

今回 HEDDphone Two を試聴して感じたのは、まさに噂に違わぬ実力どころか有名同軸スピーカーにも似たような再生感でした。このピント感は一度聴く価値があると思うのでぜひ一度試聴して体験してほしいです。特にフルレンジスピーカーや同軸スピーカーが好きな方を唸らせるヘッドホンだと思います。








