FIIO FT5 をオーディオ専門店スタッフがレビューします。プレーヤーやヘッドホンアンプの特徴をさらに透明感と重厚感のあるサウンドへ導く平面磁界ドライバー搭載の開放型ヘッドホンを詳しく紹介します。
目次
FIIOの開放型ヘッドホン
FIIO FT5 の特徴
FIIO FT5 の音質レビュー
製品仕様
まとめ
FIIO(フィーオ)は、中国の広州に本社を置く音響機器メーカー「FiiO Electronics」のポータブルオーディオブランドです。2007年の設立以降、特にポータブルヘッドホンアンプの分野でコストパフォーマンスの高さと、最新トレンドにも柔軟に対応した製品づくりで、高い評価を獲得しています。
ブランド初となるダイナミックドライバー搭載の開放型ヘッドホン「FT3」は、2023年6月に発売されました。解像感とレスポンスが良く、全体の見通しが良くスッキリとした開放的なサウンドで人気を集めています。
そして、ブランド第二弾となるヘッドホンは、平面磁界ドライバーを搭載した「FT5」です。詳しく紹介していきましょう。
ハウジング部分は真ん中にFIIOのロゴが入った軽量なマグネシウム・アルミニウム合金素材の開放型ハウジングです。
ドライバーは新開発の銀・アルミ混合素材によるプリントコイルを用いた6μmの振動板と強力な磁気回路を備えた平面磁界ドライバーが搭載されています。極めて質量の少ない振動板を面全体で駆動することによって歪みが極めて少なく、過渡特性に優れた自然な出音を生み出すとのことです。
その音質については、後ほど詳しくレビューしていきましょう。
ヘッドバンドは、ヘッドホンの頭部に被る部分、イヤーパッドとの接続部分、ヘッドバンドの接続部分の3箇所が独立して可動することによって、どのような頭の形状であっても快適な装着感となる設計の「3軸可動デザイン」を採用しています。
臨場感や高揚感を感じさせるバランスの取れたサウンドの「スエードイヤーパッド」と、広い音場感や明瞭でディティール豊かなサウンドを特徴とした「プロテインレザーイヤーパッド」の2種類のイヤーパッドが付属します。
古河電工製単結晶銅ケーブルを導体に採用したケーブルが採用されています。また、3.5㎜/4.4㎜/6.35㎜/XLR4ピンプラグに対応した交換プラグ、変換アダプターが付属しますのでさまざまなポータブルプレーヤー、ヘッドホンアンプに対応可能です。
FIIO FT5は、インピーダンス36Ωとなっています。そのためヘッドホンアンプやポータブルプレイヤーでも再生可能なので、複数の機種で試聴していきましょう。
試聴楽曲:B'Z 「純情アクション」、緑黄色社会「Shout baby」、ヨルシカ「又三郎」、あいみょん「マリーゴールド」、Official髭男dism「Pretender」、米津玄師「感電」、Perfume「FLASH(Album-mix)」
まずは、FIIOのK9 Pro ESS。K9 Pro ESSの特長として、低歪かつ高解像度ではありますが、FT5と組み合わせると、音色は明るめで、華やかさがあり女性ボーカルが映えます。一音一音に薄い膜をコーティングしたようなマイルドな鳴らし方で中高音域は刺さらずに聴きやすいです。
定位感がしっかりとしているので、臨場感や各楽器の音の動きも掴みやいです。ベースラインには厚みがあり、迫力が感じられます。
次に、FIIOのポータブルプレイヤーの中でも特に人気のM15Sで試聴します。
K9 Pro ESSとは、印象が180度変わりました。中高音域の伸びと音の広がりが倍増し、広いホールで聴いているかのように感じました。一音一音にコーティングがされているような鳴らし方でしたが、それが一切感じられず、音の透明度が向上しました。
ベースラインは、立体感のあるサウンドと重厚感のある響きが感じられます。M15Sほどの実力があれば、ポーダブルプレイヤーでも十分に鳴らせると感じました。
形式 | 開放型ヘッドホン | ドライバー | 90mm径平面磁界ドライバー |
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振動版 | 6μmPAR振動板+銀含有アルミ素材プリントコイル | 周波数特性 | 7Hz-40kHz |
インピーダンス | 36Ω | 感度 | 110dB(1Vrms)@1kHz |
コネクタ | 3.5mm 2極端子 x2 | 重量 | 約456g (ケーブルを除く) |
【商品情報】FIIO FT5
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