水月雨 (MoonDrop)は、2015年に設立された中国のイヤホン・ヘッドホンブランドです。日本市場には2017年に本格上陸をはたしました。明瞭で解像度の高い中高音域とクオリティの高い音質を特徴としたイヤホンが特に人気を集めています。

2023年は、解像感の高いサウンドへ導くUSB DAC 「MOONRIVER2 Ti」やブランド初のモニターヘッドホン「Joker」、低価格帯ながら高音質を追求したワイヤレスイヤホン「Space Travel」など、幅広いオーディオ製品を立て続けに発表し、話題となりました。

そんな水月雨 (MoonDrop)から、100mmの大型振動板を採用した平面駆動型ヘッドホン「楽園-PARA」が発売となりましたので詳しく紹介します。

ヘッドホン本体は、強度と耐熱性に優れた軽量で高強度のエンジニアリング・プラスチックを採用したドライバー・ハウジング一体型構造で、大幅な軽量化と耐久性をもたらす新設計を採用しています。

外側ハウジングはメッシュ構造の開放型タイプです。

ドライバーは、100mm 径の大型振動板部品を採用し、ブランド独自のFDT フルドライブ技術を搭載することで駆動回路を均一に分布、平面磁界型のヘッドホン回路に均一性をもたらします。

ヘッドバンドは、ベルト部分とハウジングを支える部分が二重構造となっています。近年特に採用例の多い構造ですが、重さが分散されることによって重みを感じにくい形状です。

イヤーパッドは側面に合皮、肌に触れる部分はベロア素材を採用しています。

交換可能なデュアル 3.5mm リケーブル設計を採用、ヘッドホンの外側にパーツが付いた形状なので取り外しがしやすいのではないでしょうか。

まずは、装着感レビューです。側圧は優しめなので耳への圧迫感は少ないです。手に持った印象からずっしりとした重さを感じるかなと思いましたが、ヘッドバンドからの重量感はそこまで気になりませんでした。

試聴環境：K9 Pro ESSで試聴
試聴音源：東京佼成ウインドオーケストラ / 「君のは。」メドレー、ジャパニーズ・グラフィティ XIV - A・RA・SHI～Beautiful days　緑黄色社会 / Shout baby、TRiDENT / Last Hope、ヨルシカ / 又三郎、結束バンド / 星座になれたら

次に音質レビューをしていきましょう。一聴して感じたのは、情報量の多さとベースラインの重厚感、ボーカルの艶っぽさです。定位感と各パートの分離感がしっかりとしているため、その場で聴いているかのうような臨場感が感じられます。ベースラインは、ぼわつきがなく輪郭がくっきりとしており、音に厚みもあるため、解像度の高さと迫力も感じられます。

アップテンポな楽曲は、ベースのリズムとメロディラインの華やかさが感じられて楽しく聴けて良いですね。ボーカルは、しっとりとした心地よい鳴らし方で、耳に刺さりやすいサ行も気にならず、アタック感が強くてもオブラートに包んで優しく響かせます。