Rhapsodio Supreme V3をオーディオ専門店スタッフがレビューします。真鍮ハウジングにブランド独自開発の12mmドライバーを単一で搭載、天井を感じない伸びやかで唯一性のある魅力的なサウンドが特徴のイヤホンを詳しく紹介します。
目次
Rhapsodioとは
Supreme V3 の特徴
Supreme V3 の装着感レビュー
Supreme V3 の音質レビュー
製品仕様
まとめ
Rhapsodio(ラプソディオ)は、2014年に香港で設立されて以降、ダイナミックドライバー1基搭載の「Galaxy」からはじまり、BAドライバー10基搭載の「Solar」、そしてBAドライバー22基搭載し話題となった「Infinity」など、業界でも特徴的なイヤホンを多数発表しているメーカーです。
今回は、数年前から構想が始まり、何度も試作された「Supreme」を徹底的にブラッシュアップして完成となった最新作「Supreme V3」を詳しく紹介します。
イヤホン本体は、24kgpのブラス(真鍮)で形成され、周囲をゴールドの鏡面処理のメッキ加工されています。ブラス素材は様々な楽器にも使用されており、それによるサウンドのディティールの向上が見込める素材です。
一方、ブラス筐体はかなりの重量があるため本体の大きさも大きめとなります。特に耳が小さめの方は、一度お試しいただくことをおすすめします。
ドライバー構成は、ブランド独自開発の12mm Ultramag 5G Magnetostatic (MST) ドライバーが単一で採用されています。
MSTドライバーは、ダイナミックドライバーとスーパーツイーターダイアフラムを複数の磁石とともに同軸上に融合させた独自のハイブリッドドライバーとなっており、従来のD型、BA型、EST型とは違うサウンドとのことです。
音質については後半で詳しくご紹介いたします。
ノズル部に関しても本体部と同様のブラスで構成されています。また、ノズルの溝が若干浅く、ノズルの太さによりイヤーピースが若干外れやすくなっています。試着時にも一度イヤーピースが外れ耳の中に残ってしまったということがありましたので、その点はご注意ください。
ケーブルコネクタに関してはカスタム2pin(0.78mm)を採用しています。
ケーブルは、Rhapsodio製のCopper Wizard MK2 1.2mが採用されています。こちらのケーブルは純度99.9999%の単結晶銅を使用するリケーブルで、取り回しも良好です。また、ご注文時に3.5mm/2.5mm/4.4mmのコネクタも選択可能となっていますので、お使いのプレーヤーに合わせてお選びください。
ケーブル、イヤーピース(シリコンタイプ×6ペア)、イヤホンプロテクター、ロゴ入りメタルケース、クリーニングクロス、ロゴ入り木製ケースが同梱されています。
本体の造りが大きめとなりますので、耳が小さい方は厳しいという印象です。ノズル部の太さもありますので、購入前に装着感をお試しいただくことをおすすめいたします。
Supreme V3はおおよそ100万円と現在販売されているイヤホンの中でも最も高額な価格帯の製品のひとつとなりますが、他製品はESTドライバーやBAドライバー、D型ドライバーを組み合わせたハイブリッド型が大勢を占める中、12mmのMSTドライバー単一搭載というシンプルな構成となっています。
そんなMSTドライバーですが、低域から高域まで明るいリアリティの高いサウンドを鳴らす印象で、サウンドのバランスとしては低域はタイトながら深く沈み込みレスポンスが良く、中域はリアリティで空気感を多分に含んだボーカルが堪能できます。高域に関しては空間表現もしっかりしており、天井を感じない伸びやかなサウンドです。
機器との組み合わせですが、リスニング寄りでありながら駆動力もあるSONY WM1ZM2や、USB DACで言うとNavigatorの様な製品との組み合わせでは上手く音をギリギリまで伸ばしながら音の先を丸めて聴きやすくしてくれるので、とても好印象でした。
逆にSP3000ではサウンドのリアリティを限界まで高めていくので、曲によっては曲の音圧が高い箇所で音がきつくなり過ぎたり、ボーカルの刺擦音がきつくなり過ぎたりしました。
ただ、収録の良い音源ではとても伸びやかでレンジ感の広いサウンドを奏でてくれていたので、相性は出ますがイヤホンの性能を引き出す良い組み合わせだとも思われます。
ドライバ構成 | 12mm Ultramag 5G Magnetostatic (MST) ドライバー1基 + HDSS | 周波数応答 | 20Hz – 40kHz |
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インピーダンス | 17Ω | 感度 | 97dB |
【商品情報】Rhapsodio Supreme V3
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