Meze Audio ARTA レビュー | デザイン性と音質をハイレベルで両立したフラッグシップヘッドホン


イヤホン:FitEar/TG334、qdc/Anole V14-C
ヘッドホン:TAGO STUDIO/T3-01
DAP:Astell&Kern/A&ultima SP3000
などを愛用中。
商品レビューやインタビューなどを担当しています。製品そのものの情報だけでなく、メーカーや開発者の"想い"もお伝えしたいと思っています。
Meze Audioとは
Meze Audio(メゼオーディオ)は2009年、工業デザイナーでもあるアントニオ・メゼ氏によって設立されたルーマニアのオーディオブランドです。特に日本では2018年12月発売の「Empyrean(エンぺリアン)」シリーズや2021年10月発売の「Elite(エリート)」など、他のブランドにはないデザインセンスと優れた音質のハイクラスヘッドホンが今も高い人気を集めています。

【試聴レビュー】Meze Audio Elite 登場!噂の最新フラッグシップヘッドホン、唯一無二のデザインと音質に迫ります。
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そんなMeze Audioから新たなフラッグシップ・ヘッドホンが本日発売を迎えました!その名も、ルーマニア語で”芸術”という意味の「ARTA(アルタ)」です!

【商品情報】Meze Audio ARTA
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音質レビュー
まずはいきなりですが音質レビューからまいりましょう。
今回はなんといっても100万円オーバーというハイクラス中のハイクラスヘッドホンですので、組み合わせる機器もそれなりに…ということで、dCSのハイエンドDAC「Vivaldi APEX DAC」とDVASのヘッドホンパワーアンプ「Model2B」という布陣で試聴に臨みました。

【商品情報】DVAS Model2B ブラック(ディンプルパネル)
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ARTAにはのちほどご説明するように2種類のイヤーパッドが付属するので、まずはラムスキンレザー+アルカンターラの「デュオ・アングルド・イヤーパッド」を装着して聴いてみます。
これまでのEmpyreanやEliteと言ったモデルの特徴を受け継ぐような非常に透明感の高い音で、フラットからややハイが主張するくらいの音傾向です。音場は非常に広く、ぐるっとリスナーの周囲を取り囲むように展開されます。基本的には粒立ちの良さとキレの良さが際立つ寒色系のサウンドですが、ボーカル部には不思議と温かみのある表現が乗るため、無機質な印象はありません。この従来モデルにはなかった二面性のある音表現はARTAならではといえそうです。
続いてイヤーパッドを質感の異なる2種類のアルカンターラ素材で作られた「スリム・アルカンターラ・イヤーパッド」に替えてみると、低域の量感が増して全体的に柔らかい感じのウォーム寄りなサウンドに変化しました。長時間のリスニングであれば、こちらの方がよりリラックスして楽しめそうです。
一方で、ARTA自体のポテンシャルの高さ、そして225Ωというハイインピーダンス設計であることもあり、DACやアンプなど上流環境にはそれなりのものを用意しないとその実力を充分に発揮できない、という点は注意が必要です。もちろんARTAそのものも非常に高額ではありますが、上流も含めて考えると予算的に相当な覚悟が必要かもしれません。このあたりは当店試聴環境やヘッドフォン祭などのイベントでじっくりとご確認いただくことをお勧めいたします。
デザイン・特徴
さて、ここからはARTAの詳細についてお伝えしていきましょう。
専用ハードケース
まずはEmpyreanやEliteのものよりやや小型になった専用ハードケースの登場です。サイズ感としてはちょうどアナログレコードのジャケットくらいかと思います。

ケースを開くとこんな感じで、中身がコンパクトにまとめられています。

他付属品
内容物はARTA本体に2種類のケーブルおよび丸形ケース、交換用イヤーパッドなど意外とシンプル。

本体
ARTAの本体がこちら。全体的なフォルムはEmpyreanから変わっていませんが、細部にはMezeらしいこだわりが満載されています。

ARTAの重量は495gとやや重めですが、カーブのついた幅広なレザーヘッドレスト(モデル名の刻印入り)とカーボンパターンが浮かび上がるヘッドバンドの組み合わせがうまく重さを分散してくれます。

ヘッドレストの内側は薄くクッション状になっているため、装着感も良好です。

従来モデルに比べ、ハウジングまわりの印象を大きく変えているのがこの有機的なフレームデザインではないでしょうか。曲線で構成されたこの彫刻的なデザインは、アントニオ氏いわく”生物の骨”をモチーフにしたものだそうです。

真横から見ても非常に複雑なデザインであることがわかります。

長さを調整するロッドは適度な硬さで動きます。

もうひとつ、ハウジングの印象を変えているのがこのオープンバック・グリル。一見単純なスリットのように見えますが、実はこの15本のブレードひとつひとつには精密に角度がつけられており、ARTAのドライバー内部で発生する不要な反射を抑えるという役割をはたしています。

ドライバー
ARTAが搭載するドライバーはおなじみ、異なる形状の2つのコイルを1枚の振動版上に配置する”平面磁界駆動型等磁力ハイブリッドデュアルコイルドライバー”ですが、これもARTAのために新開発された”MZ5 HΩ”ドライバーに進化しています。225Ωという極めて高いインピーダンス設計を採用することで歪みを極限まで抑え、リニアリティーに優れた自然で純度の高いサウンドを生み出すとのこと。

この新型ドライバー・MZ5 HΩは一見従来モデルと同じようですが、振動板上の導体パターン(コイルの長さ)はなんと2.5倍もの長さになっています。コイルを高密度化することにより振動板全体を均一に駆動でき、音の立ち上がりがより正確に再現できるほか、大音量でも歪みを極限まで抑えることが可能になりました。

イヤーパッド
イヤーパッドはラムスキンレザーとアルカンターラを組み合わせ、絶妙な角度を持たせた「デュオ・アングルド・イヤーパッド」と、質感の異なる2種類のアルカンターラを採用し、内側にはパンチング加工を施した「スリム・アルカンターラ・イヤーパッド」の2種類が付属します。

スリム・アルカンターラ・イヤーパッドの方には、内側にスポンジが貼られているという違いもありました。
なお、このARTA用のイヤーパッドについては残念ながらEmpyreanやEliteではご使用いただけないとのことです。

ケーブル
ケーブルコネクタにはEmpyrean/Eliteシリーズと同じく、左右とも4pinミニキヤノン端子を採用しています。

導体に高純度銀メッキLC-OFC(線状結晶無酸素銅)を採用した、ARTA専用のプレミアムケーブル(6.3mmおよび4pinXLRバランス・長さ2m)が付属します。

こだわりのデザインが施されたプレミアムケーブルの分岐部にもぜひご注目ください!

まとめ
今回は高いデザイン性と音質の良さをハイレベルで両立したMeze Audioの新たなフラッグシップヘッドホン「ARTA」をご紹介しました。
・”生物の骨”をモチーフにした有機的なフレームデザイン
・ハイブリッドデュアルコイルドライバーをさらに進化させた”MZ5 HΩ”搭載
・透明感の高いフラット寄りのサウンドに温かみのあるボーカル表現、イヤーパッド交換でさらにウォームへと変化
音の良さはもちろん、眺めているだけでもうれしくなる美しさをもったヘッドホンとしておすすめできる1台となっています。
ARTAは本日より発売開始、店頭デモ機もご用意しておりますのでぜひ一度ご試聴ください。









