JBL TOUR PRO 3をオーディオ専門店スタッフがレビューします。スマート充電ケースの各種表示やトランスミッター、ヘッドトラッキングなど多くの新機能を追加した明るく伸びやかな中高域が特徴のワイヤレスイヤホンを詳しく紹介します。
目次
JBLのスマートワイヤレスイヤホンとは
TOUR PRO 3の特徴
TOUR PRO 3の音質レビュー
製品仕様
まとめ
JBLは1946年、スピーカーエンジニアのジェームス・バロー・ランシング氏により設立されたアメリカの音響機器ブランドです。
大型スピーカーをはじめホームシアター用のサウンドバー、カーオーディオにいたるまで幅広い音響製品を生み出していますが、中でもJBLならではのユニークな製品といえば、充電ケースにタッチ操作可能なディスプレイを搭載してしまった”スマートワイヤレスイヤホン”ではないでしょうか。
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そのJBL自慢のスマートワイヤレスイヤホンに最新モデルが登場しました!それがこちらの「TOUR PRO 3」です!
今回はこのTOUR PRO 3について、詳細および音質レビューをお届けします。
まずはパッケージ内容からご紹介しましょう。イヤホン本体に充電用ケース、シリコン製イヤーチップ(XS/S/M/L/XLの5サイズ・Mは装着済み)、フォームイヤーチップ(Mサイズのみ)、保証書などのドキュメント類。
なお、TOUR PRO 3は今回のレビューで使用したブラックとラテの2色展開となっています。
そして充電用USBケーブル、USB Type-C to Type-Cケーブル、USB Type-C to アナログ3.5mmケーブルが付属します。充電用はともかく、その他の2本のケーブルについてはのちほどご説明いたしましょう。
イヤーチップはシリコンタイプ・フォームタイプとも楕円型で、フィルターを内蔵したものです。
ちなみにフォームタイプはご覧のとおり、中がくり抜かれたような形状となっています。
こちらがイヤホン本体です。いわゆるスティック型で、タッチセンサー(JBLロゴ部分)操作方式を採用しています。内蔵するドライバーはJBL初となる”バランスドアーマチュア+10mm径ダイナミック”のハイブリッド・デュアルドライバー構成です。
対応コーデックはSBC、AAC、LDACの3種類ですが、将来的にLC3にも対応予定となっています。
ステムは非常に短いタイプの楕円形で、先端には金属製のフィルターが装着されています。
周囲の環境に合わせてリアルタイムに補正する”ハイブリッドノイズキャンセリング2.0”への進化に加え、JBLとして初めて採用したフォームイヤーチップを組み合わせることでさらにノイズ低減を図ることが可能です。
最大の特徴でもあるスマート充電ケースのディスプレイは前モデル・TOUR PRO 2よりも約29%大型化。
曲操作やボリューム調節、イコライザー変更などの操作・設定をタッチ操作可能な”リモコン”として使うことはもちろん、さらに「アーティスト名・アルバム名・楽曲名の表示」「電話入電時連絡先表示」(ディスプレイ左上)のほか、特に日本のユーザーからの要望が強かったという「コーデック表示」も可能になりました。
もちろん専用アプリ「JBL Headphones」から、いわゆる”壁紙”の変更もできます。
そしてもうひとつ、このスマート充電ケースに追加された機能が「トランスミッター機能」です!これは付属品のUSB Type-C to Type-CケーブルまたはUSB Type-C to アナログ3.5mmケーブルを使うことで、スマート充電ケースを送信機としてTOUR PRO 3イヤホンに音声を送ることが可能という機能になります。
しかもこの機能ではスマート充電ケースとイヤホンの間が通常のBluetoothではなく低遅延の「2.4GHz帯デジタルワイヤレス方式」、または複数の受信デバイス(イヤホン)に対してブロードキャスト送信ができる「AURACAST」での接続になる、という特徴があります。
実際に「2.4GHz帯デジタルワイヤレス方式」で接続して、遅延のわかりやすいリズムゲーム(音ゲー)や動画などを試してみましたが、Bluetooth接続時と比べ大幅に音ズレがなくなっているのを実感しました。
TOUR PRO 3に搭載された新機能はこれだけではありません、リスナーの向いている方向にあわせて音の方向が変化する「ヘッドトラッキング機能」も追加されました。
これは通常であればどの方向を向いていても同じように”頭の中”で聴こえる音が、左を向けば右方向から、下を向けば頭の上の方から…というようにまるでスピーカーで聴いているように”頭の外”から聴こえてくる、というものです。専用アプリ「JBL Headphones」で簡単な設定を行うだけで楽しめますが、高音質接続(LDAC)をOFFにする必要があるのでご注意ください。
それではTOUR PRO 3のサウンドを確認してみたいと思います。スマートフォンとLDACで接続し、サブスク音源を数曲聴いてみました。
ヌケ感ある高域と明るく伸びやかな中高域が生み出す見晴らしの良さが特徴的な、スッキリ系のサウンドです。低域の量感は控えめですがタイトにビシッと決まる感じで物足りなさはありません。音場はリスナーの周囲をぐるっと囲むように広がり、定位も良いので立体的にそれぞれの音が散りばめられるように展開されます。
音質面以外のところでは、やはりノイズキャンセリング機能の向上を感じます。不要なノイズはしっかりと打ち消し、人の声など必要なところだけはある程度耳に届くといったノイキャンにおけるバランスの良さがしっかりと現れています。
ヘッドトラッキング機能も体験してみると楽しいのですが、いまのところは「おお、たしかに向きを変えると聴こえる方向が変わる!」という驚き以上のものがない、というのが正直なところです。ただ、たとえばVRゴーグルなどと連携してくれればもっと凄そうだぞ、という将来の期待が持てる機能でもあるので、ぜひ今後も磨きをかけてほしい機能だと思いました。
ユニット | バランスドアーマチュアドライバー + 10mm径ダイナミックドライバー+ | ノイズキャンセリング | アクティブ・ノイズキャンセリング |
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Bluetoothコーデック | SBC、AAC、LDAC、(LC3対応予定) | バッテリー | [Bluetooth 接続]ANCオフ時:約44時間 (イヤホン本体約11時間再生+充電ケース使用約33時間) |
防水規格 | IP55(イヤホン本体のみ) | 質量 | イヤホン本体各約6.1g 、充電ケース約73.0g |
【商品情報】JBL TOUR PRO 3
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