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2025.10.24
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iBasso Audio D17 ATHERIS レビュー | 2本の真空管と2種類のDACが奏でる高音質!高性能ポータブルアンプ

iBasso Audio D17 ATHERIS レビュー | 2本の真空管と2種類のDACが奏でる高音質!高性能ポータブルアンプ

専門店スタッフのiBasso Audio D17 ATHERIS レビュー!3種類のサウンドが楽しめる高性能ポータブルアンプが登場しました!新たなベンチマークとなる本機の魅力を徹底レビューします。

ブログ担当スタッフ根本イメージ
▶記事担当「フジヤエービック スタッフ 根本」

イヤホン:FitEar/TG334、qdc/Anole V14-C
ヘッドホン:TAGO STUDIO/T3-01
DAP:Astell&Kern/A&ultima SP3000
などを愛用中。

商品レビューや取材、インタビューなどを担当しています。製品そのものの情報だけでなく、メーカーや開発者の"想い"もお伝えしたいと思っています。
 

iBasso Audio D17 ATHERIS | 新たなベンチマークが誕生

Nutube 6P1真空管をデュアル搭載
「R2RアーキテクチャDAC」と「1bit ディスクリートDAC」の2種類のDAC回路を搭載
賑やかなサウンドと落ち着いたサウンドの異なる音色が楽しめる

今回は「Nutube 6P1真空管」と「2種類のDAC」が奏でる3種類のサウンドが楽しめる!ポータブルアンプ「iBasso Audio D17 ATHERIS」を紹介します。

【商品情報】iBasso Audio D17 ATHERIS

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iBasso Audio D17 ATHERIS商品イメージ

iBasso Audioのポータブルアンプとは

iBasso Audio(アイバッソオーディオ)は、2006年に中国で設立されたポータブルオーディオメーカーです。現在はハイレゾプレーヤーに小型USB-DACやイヤホン・ヘッドホンなどのポータブルオーディオ全般にわたって製品展開していますが、設立当初はポータブルアンプメーカーとしてマニアからの注目を集めていました。
その当時から、ポータブルアンプの製品名に「Boa」「Cobra」といったヘビの名前をつけることで知られており、2024年4月に発売された人気モデル「D16 TAIPAN」(タイパンはコブラ科のヘビ)まで、その伝統は受け継がれています。

【商品情報】iBasso Audio D16 TAIPAN

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iBasso Audio D16 TAIPAN商品イメージ

そのiBasso Audio から、また新たなハイクラスポータブルアンプが登場しました!それがこちらの「D17 ATHERIS」(以下「D17」)です!
ちなみにモデル名のATHERIS(アテリス)は、熱帯アフリカに生息するマムシやハブと同じクサリヘビ科の毒ヘビ(別名ブッシュ・バイパー)だそうです。

iBasso Audio D17 ATHERISの画像
D17 ATHERIS

今回はこのD17について、製品の特徴および音質レビューをお届けします。

D17 ATHERISのパッケージと付属品

パッケージを開封

D17 ATHERISパッケージの画像
開封した様子

まずはパッケージをオープン。
しっかりしたつくりのボックスには、大小ふたつのポーチが収められています。

ケーブル類

D17 ATHERISのケーブル類の画像
付属のケーブル類

小さなポーチの中には同軸ケーブル(3本)、USB C to Cケーブル、C to Lightningケーブル、充電用USBケーブルが入っていました。

専用ケース

D17 ATHERISとポーチの画像
丈夫なポーチ入りのD17

大きなポーチの方に入っていたのは専用ケースを装着したD17本体!

D17 ATHERISと専用ケースの画像
巻きつけるタイプの専用ケース

この専用ケース、D17にぐるっと巻きつけて装着するというちょっとユニークな形をしています。

D17 ATHERISの外観

サイズ

D17 ATHERISの本体画像
D17 ATHERIS

では本体を見ていきましょう。
サイズは縦145×横86.3×厚さ31.6mm、重さは470g。ポータブルアンプとしては大型の部類になります。

正面 | 真空管とディスプレイ

D17 ATHERISの正面画像
2本のNutube 6P1真空管

大きな特徴のひとつが、この窓からのぞく2本の”Nutube 6P1真空管”です。
また、写真では真っ黒に見えてしまいますが、Nutubeの窓の上には動作状況を表示する小さなディスプレイも設けられています。

フロントパネル | 出力端子とボリュームノブ

D17 ATHERISのフロントパネル画像
フロントパネル部

フロントパネルには4.4mmバランス/3.5mmの出力端子と、特徴的な大小2つのボリュームノブが並びます。

リアパネル | 各種入力端子

D17 ATHERISのリアパネル画像
デジタル入力のみ対応

リアパネルには同軸/光兼用の3.5mm入力端子、DAPやスマートフォンと接続するための入力用USB Type-C、充電専用のUSB Type-C、電源スイッチが配置されています。
D17は同軸・光・USBのデジタル入力のみに対応しており、アナログ入力はできませんのでご注意ください。

背面

D17 ATHERISの背面画像
背面

背面には、大きく「R2R」の文字とモデル名が刻まれています。

側面

D17 ATHERISの背面画像
側面

左右の側面には特になにもありませんが、2つのボリュームノブを守るようにフロント側がやや長くなっています。

D17 ATHERISの特徴

Nutube真空管をデュアル搭載

D17 ATHERISの真空管画像
Nutubeをデュアル搭載

D17の大きな特徴のひとつが、2本の”Nutube 6P1真空管”です。
ヘッドホン出力とライン出力とを切替可能ですが、このうちヘッドホン出力時には必ずこのNutube真空管を通ることになり、オフにはできません。逆にライン出力時はNutubeを通らないとのことです。

2種類のDAC回路を搭載

D17 ATHERISのDACチップ画像
異なる2つのDAC回路を搭載

”R2RアーキテクチャDAC”と”自社開発の1bit ディスクリートDAC”という、設計の異なる2種類のDAC回路を搭載している点も大きな特徴です。

3つのDACモード | 好みの音質で楽しめる

D17 ATHERISのDACモード画像
3つのDACモードを切替可能

2種類のDAC回路を搭載したことで、D17は3つのDACモード搭載を実現しました。
OS:オーバーサンプリング(すべてR2R DACでD/A処理をおこなう)
NOS:ノンオーバーサンプリング(PCMはR2R DACで、DSDは1bit DACで処理)
SD:ΣΔ-シグマデルタ-(すべて1bit DACでD/A処理 [1bit 6.144MHz])
この設定は再生中でも自由に切替可能なので、音楽を聴きながら好みのモードを選んでみてください。

個別ボリューム方式 | 細かな調整が可能

D17 ATHERISのボリューム画像
大小2つのボリュームノブ

iBassoファンにはおなじみの個別ボリューム方式ですが、小さなノブは100段階のデジタルボリューム、大きなノブは24段階・4ステップのアッテネーターによるアナログボリュームとなっています。基本的な調整方法としては、大きなノブでおおまかに音量調節をしてから小さなノブで微調整を行う…という感じです。
また、小さなノブを長押しすると設定メニューが表示されます。こちらで先ほど触れたフォン・ラインの出力切替やDACモード、ゲインなどの設定変更が可能です。
さらにデジタル・アナログで分かれているのはボリュームノブだけではありません。電力を供給するために、デジタルとアナログとでそれぞれ独立したバッテリーを搭載。お互いに干渉することのないクリーンで安定した出力を実現しています。

D17 ATHERISの音質レビュー

それではD17の音質を確認してみましょう。
プレーヤーには同じiBassoのフラッグシップDAP「DX340」を、ヘッドホンにはDan Clark Audioの開放型モデル「NOIRE-XO-4.4」を組み合わせて試聴します。

【商品情報】iBasso Audio DX340

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iBasso Audio DX340商品イメージ

【商品情報】Dan Clark Audio NOIRE-XO-4.4

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Dan Clark Audio NOIRE-XO-4.4商品イメージ
D17 ATHERISとDX340/NOIRE-XO-4.4の画像
D17 ATHERISとDX340/NOIRE-XO-4.4

まずはR2R DACで処理される「OS」モードで聴いてみました。
鮮やかな高域と若干の柔らかさ・量感を感じさせる低域が音に抑揚を与え、DX340自体の音質とはまた異なる賑やかなサウンドを聴かせてくれます。

「NOS」モードに変更してもこの傾向は変わりませんが、今回はPCM音源での試聴ということもあり、OSモードに比べ各帯域の音がよりハッキリと描き分けられるように変化します。

最後に1bit DACで処理される「SD」モードにしてみると、賑やかだったサウンドが急に落ち着きを取り戻したかのように中低域寄りのフラットバランスへと変化します。

よくあるDACフィルターやイコライザーの切り替えとは別次元の、まさに”2種類のDAC”を切り替えたからこその音の違いが味わえるので、曲やジャンルだけでなく再生機器・ヘッドホンやイヤホンなどあらゆる組み合わせでこの3つのDACモードがそれぞれどんな音になるのか、いつまでも楽しめそうです。
どのDACモードでも共通するのが、出力の高さからくる「余裕」ではないでしょうか。DX340もけっして出力の弱いプレーヤーではありませんが、「ここからボリュームを上げてもまだついていけますよ」という感じで音を破綻させることなく聴かせてくれるヘッドホンアンプならではの安心感と魅力は、特にヘッドホン使用時には大きいと思います。

iBasso Audio D16 TAIPANとの音質比較

さて、やっぱり気になるのがiBassoのもうひとつの大型ポータブルアンプ「D16 TAIPAN」との違いではないでしょうか。
スペック上は「R2R/1bitの2種類のDACを搭載したD17」と「1bit DACとSuper Class-Aディスクリートアンプ搭載のD16」という違いがありますが、それがどう音質に影響するのかを比較試聴してみます。

【商品情報】iBasso Audio D16 TAIPAN

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iBasso Audio D16 TAIPAN商品イメージ
D16 TAIPANとD17 ATHERISの画像
D16 TAIPAN(奥)とD17 ATHERIS(手前)

硬質かつシャープなサウンドを聴かせるD16に対し、D17はソフトながら力強さも感じさせる骨格のしっかりしたサウンドというようにかなりキャラクターの異なる音になっています。
D17をSDモード、つまりD16と同じ1bit DACにしても印象は変わらないので、おそらくNutubeを搭載したことによる影響でしょう。

iBasso Audio D17 ATHERISの注意点

D17 ATHERISのボリューム画像

D17の注意点として挙げられるのが、やはりD16から続く大小2つのノブで調整しなければならないボリュームの仕様です。それなりに大きな音量を必要とするヘッドホンなどではあまり気になりませんが、わずかなボリューム位置の違いで大きく音量が変化してしまうような高能率のイヤホンなどを使う際はどうしても操作が煩雑になってしまうため、慣れが必要です。

まとめ | 専門店スタッフおすすめポイント

iBasso Audioが新たなベンチマークとして生み出したポータブルアンプ「iBasso Audio D17 ATHERIS」。

Nutube 6P1真空管をデュアル搭載
「R2RアーキテクチャDAC」と「1bit ディスクリートDAC」の2種類のDAC回路を搭載
賑やかなサウンドと落ち着いたサウンドの異なる音色が楽しめる

D17 ATHERISは本日より発売開始!店頭にデモ機もご用意しております。
「Nutube 6P1真空管」と「2種類のDAC」の組み合わせが奏でるサウンドを、ぜひ直接お楽しみください!

【商品情報】iBasso Audio D17 ATHERIS

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iBasso Audio D17 ATHERIS商品イメージ

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