イヤホンケーブルの種類とリケーブルによる効果をオーディオ専門店スタッフが解説します。デバイスから音を伝えるイヤホンケーブルは、より好みの音質で音楽を楽しみたい方にとってこだわりたいポイントです。おすすめのケーブルブランドや選び方についても紹介します。
目次
イヤホンリケーブルとは?
イヤホンケーブルを交換するメリットとデメリット
イヤホンリケーブル端子の種類
ケーブル素材による違い
イヤホンケーブルの選び方
おすすめのケーブルブランド
まとめ
イヤホンリケーブルとは、「イヤホンのケーブル部分を交換する」ことです。音質の改善やケーブルの断線対策として行われます。使用する線材やコネクタの種類によって音の特性が変わるため、好みや用途に応じて選ぶことが重要です。また、耐久性や取り回しのしやすさもリケーブルのメリットになります。
リケーブルに対応しているイヤホンは、イヤホン本体とケーブル部分の取り外しが可能なイヤホンのことです。リケーブル対応のイヤホンは、ケーブルを交換することで音質の変化を楽しむことができるため、音質にこだわる方に人気があります。
イヤホンケーブルには様々な種類があり、近年ではバランス接続対応のイヤホンやケーブルが人気です。
▼別途記事でバランス接続について詳しく解説していますのでぜひこちらも参考にしてください。
バランス接続とは?バランス接続の仕組みと特徴を解説
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音質の向上:高品質なケーブルを使用することで、クリアな音質や繊細な音の表現が可能となったり音質に変化があります。
耐久性の向上:丈夫な素材を使用することでケーブルの断線や劣化を防ぐことを目的としてリケーブルを選択することがあります。特にイヤホンとの接点部分は劣化しやすいため、リケーブルすることで長期間使用が可能になることがあります。
カスタマイズ性:自分好みの音質やデザインにカスタマイズできます。
ノイズの低減:シールド付きケーブルなどを使用することで、外部ノイズの干渉を減らすことができます。
互換性:全てのイヤホンがリケーブルに対応していないため、対応機種を確認する必要があります。
コストがかかる:高品質なケーブルは、価格が高く、交換に費用がかかることがあります。
MMCX端子は、Shure・JVCなど、多くのメーカーで多く採用されている規格です。選択肢が豊富なので、複数のイヤホンにつけ替えて使いたい人にもおすすめです。MMCX端子は、接続した状態でも端子が回転するため、ねじれに強く取り回しがしやすいのが魅力ですが、接続部分に力がかかると摩耗して、劣化しやすい傾向があります。
2pin端子は、音楽制作現場などで使用されるイヤーモニター用としてもよく使用される規格です。接続ピンが2本あるため接触不良に強く、接続が安定する点が魅力です。
2pin端子は大きく分けるとqdc2pinと通常の2pinの2種類あります。また、通常の2pinでも、イヤホン側に溝がある場合でも使用できる埋込型と、溝があると使用できない通常型があるので注意しましょう。ピンの太さも0.75・0.78mmがあるので、必ず事前にチェックしましょう。
イヤホンケーブルは、素材によって音質や耐久性が異なります。主要な素材とその特徴を紹介します。
無酸素銅(OFC)は、イヤホンケーブルの素材として主に使用される線材です。無酸素銅の純度は一般に99.99%以上とされます。無酸素銅は、酸素の含有量が非常に少なく、電気抵抗が低く、信号の損失が少ないため高い信号伝送性能を特徴としています。そのため、クリアで細かい音がしっかりと再現され、音楽を楽しむのに適している素材です。
長期間使用しても性能が低下せず、柔軟なため、曲げや折り曲げにも対応できます。OFCは銅のみを使用しているため、他の素材を使用するケーブルに比べて重くなることがあります。
さらに、超高純度の無酸素銅は、「6N 単結晶銅」というようにNが表示されることがあります。純度は、「6N」銅なら純度「99.9999%」のように、N(Nine=9)の数で表記され、「8N」までみられます。
外観や耐久性を向上させた銅ケーブルです。銅の特性を保持しつつ、メッキによる追加の音質効果があります。長時間使用すると劣化してメッキが剥がれる場合があります。
銀線は、クリアでシャープな高音域を強調し、中高音域が際立つという特徴があります。高価になる傾向があり、酸化しやすいためメンテナンスが必要となることがあります。
金メッキ線は、銅の表面に電気導電率の高い金メッキ加工をすることで、電気導電率を向上させることで、高周波・高速伝送を可能とします。錆びにくいという特徴からプラグ部分に採用されます。
複数の線材を編み込んで作られたハイブリッド線は、それぞれの特徴を掛け合わせた音質を期待できるところが魅力です。
メーカーによって大きさや規格が異なる場合がありますので、ケーブルを交換する際は、イヤホン端子(コネクタ)の種類に合わせて選ぶ必要があります。
イヤホンを再生デバイスに接続するための部品で、3.5mm(ステレオミニプラグ)や2.5mm、4.4mmなどのサイズがあります。形状はストレート型やL字型があり、使用状況に応じて選びます。
イヤホンケーブルの線芯数が増えるほど音の密度と情報量が増える傾向があります。芯数が多くなるほどケーブルが太く、重くなりますので扱いにくくなるので利用シーンと音質とのバランスに合わせて選びましょう。音質のこだわる場合は、8芯や16芯など線芯数が多いものがおすすめです。
使用シーンに合わせたイヤホンケーブルの長さの目安を紹介します。
PCやオーディオ機器との接続 | 1.2m前後 | ソファやベッドでのリスニング | 1.5m前後 |
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外出時のモバイル機器との接続 | 0.5m前後 | 再生デバイスを胸ポケットに入れたい場合 | 1.2m前後 |
再生デバイスをカバンに入れたい場合 | 1.5m-1.8m | 音楽制作用 | 3.0m |
ケーブルの取り回しの良さとは、ケーブルを使いやすく、扱いやすくすることです。ケーブルの取り回しの良さは、ケーブルの硬さや重量、線材を覆う被膜の素材、編み方によって異なります。また、ケーブルが絡まっていてほどけないかどうかも取り回しの良さを左右します。基本的には柔軟性があり、軽いものが扱いやすいのでおすすめです。
NOBUNAGA LABS(ノブナガラボ)は、イヤホン用のスペア・パーツ、アクセサリー等を手掛けるブランドです。SHUREのSEシリーズやSENNHEISERのIEシリーズ等、定番イヤホンの着脱式コネクタに対応したスペアケーブル、交換用イヤーチップ、自作ケーブル用ステレオミニ・コネクタ等、音にこだわるユーザーの要求に応えるニッチな製品を、優れたコストパフォーマンスでラインナップしています。
Brise Audio(ブリス オーディオ)は、群馬県で設立されたオーディオケーブルメーカーです。オーディオ用ケーブルやオーディオコンポーネント、ハイエンド向けイヤホンどを開発しており、高度なリスニング体験を重視した製品づくりを行っています。ケーブルのテスト用に開発したヘッドホンアンプから製品化されたポータブルオーディオシステム「FUGAKU」は、まるで生演奏のようなサウンドが体験できるアンプとして話題となりました。
PW Audio(ピーダブリュー)は、オーディオケーブルやオーディオ向けのアクセサリーを販売するメーカーです。各メーカーのデジタルオーディオプレーヤー(DAP)やポータブルアンプから4.4mm バランス接続へ変換するオーディオアクセサリーや、オーディオプレーヤーからアンプ等への接続ケーブル、イヤホンリケーブルなどをラインナップしています。
WAGNUS.(ワグナス)は、久米春如氏により設立されたプロミュージックレーベル、およびオーディオブランドです。2012年にイヤホン・アンプリケーブル分野に進出、希少性の高い線材を使用したケーブルを販売し、根強いファンを獲得しています。
onso [音素] は、50年以上の歴史を持つ、音響機器用ケーブルメーカーが2009年に立ち上げた、ポータブルオーディオ用ケーブルのブランドです。 これまでに蓄積してきた数種類の導体を撚り合わせて音を調整するノウハウを、ポータブルオーディオ用ケーブルにも応用し、シリーズごとに特徴ある製品を生み出しています。
BEAT AUDIO(ビートオーディオ)は、2006年に中国で設立された高品質オーディオケーブルブランドです。熟練した職人によるハンドメイド製品と独自の導体技術を活用し、低音の解像度を向上させ、ボーカルの明瞭さを改善します。これにより、既存のイヤホンの性能を最大限に引き出す製品として高く評価されています。
イヤホンケーブルの種類やリケーブルの効果について紹介しました。
・イヤホンケーブルを交換することで音質改善や断線対策ができる
・線材や種類によって音の特性が変わる
・イヤホンケーブルの線材は信号伝送性能が高く柔軟でクリアな音質の無酸素銅(OFC)が主に使われる
・端子とプラグの種類をチェック
この記事を参考にしてぜひリケーブルをお試しください。