ポータブルオーディオを代表するブランド「Astell&Kern」から初の完全ワイヤレスイヤホン「AK UW100」が正式発表されました。シンプルな操作性と分離感、まとまりの良い音質が特徴の「AK UW100」を詳しくレビューいたします。
Astell&Kern(アステルアンドケルン)は韓国発のオーディオブランドです。約10年前に発売されたハイレゾポータブルプレイヤー「AK100」から始まり、さまざまな製品を生み出しています。
最近ではこれまで他メーカーとのコラボレーションという形でのみ販売していた有線イヤホンを初めて”自社ブランド”から送り出した「AK ZERO1」が話題となりました。
【商品情報】Astell&Kern AK ZERO1
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そのAstell&Kernから今回はブランド初の完全ワイヤレスイヤホンが登場します!
それがこちらの「AK UW100」です!
今回はこのUW100をさっそくお借りすることができたので、製品の外観から音質まで詳しくレポートしていきたいと思います。
まずはパッケージ内容の確認です。
本体、充電ケース、マニュアル類、充電用USB Type-Cケーブル、そして5サイズのイヤーピースが同梱されています。
充電ケースの天板部分はAK製品ではおなじみ、"光と影"を組み合わせた多面構成デザインとなっています。
この充電ケースはワイヤレス充電にも対応しているとのことです。
フタを開けるとUW100本体がお目見えします。当然ながらフェイスプレート部分にも多面構成デザインが採用されており、ポータブルオーディオ好きなら一目でAK製品だとわかりますね。
UW100は単体で6時間の連続再生が可能ですが、この充電ケースで3回の充電ができるため合計で最大24時間の使用に対応します。
なお、操作はすべてこのフェイスプレート部をタッチすることで行うタッチパネル方式です。
フェイスプレートの山の形となっている頂点部分からうしろ半分を押さえる感覚でタッチするのが良いようです。
ケースから取り出したUW100がこちらです。ブラックとグレーのツートンカラーで落ち着いた色調ですが、光の当たり方で表情が変わる多面構成デザインのおかげで地味な印象はありません。
シェル全体が5角形というのも、完全ワイヤレスイヤホンとしてはちょっと珍しいデザインではないでしょうか。
UW100の特徴としてはもうひとつ、旭化成の高性能Hi-Fi 32bit DACチップ「AK4332」を搭載し、AK独自のアンプ・オーディオ回路技術を組み合わせている点が挙げられます。
大半の完全ワイヤレスイヤホンではBlueToothチップセット内蔵のDAC機能を使用しているところに、わざわざ別のDACチップを使うことでAKが目指す高音質を実現しています。
UW100本体のサイズは10円玉とほぼ同じくらいと、やや大柄なシェルとなっています。
なお、UW100が搭載するドライバーは「Knowles(ノールズ)社製BAドライバー」1基のみ、となっています。
複数のBAドライバーを搭載したり、ダイナミックなど別の種類のドライバーと組み合わせたハイブリッド型も珍しくない最近の完全ワイヤレスイヤホン市場ではありますが、あえてそこに”1BA”のモデルを投入してきたというのもユニークなところです。
ステム(ノズル部分)はちょっと短めですが、しっかりと段差が設けられているのでイヤーピースが簡単に外れてしまうことはなさそうです。
付属のイヤーピースは完全ワイヤレスイヤホン用によくある特別平べったいものではなく、普通のサイズという印象でした。耳穴にフタをする、という感じではなく、ある程度しっかりと耳に入れ込む形です。
UW100には電子的なノイズキャンセリング機能はありません。
イヤーピースでしっかりと密閉することで外部の騒音を防ぐ、いわゆるパッシブノイズキャンセリングを活用する形となるため、耳穴のサイズに合った適切なイヤーピースを選ぶことが重要となります。
先にご覧いただいたようにステムに段差が設けられているので、たとえばAZLAのSednaEarfit Crystal for TWSやStandardも装着可能です。
特に落下防止策など装着感には気を使いたい完全ワイヤレスイヤホンにとって、こうした付属品以外のイヤーピースが使えることは嬉しいポイントではないでしょうか。
完全ワイヤレスイヤホンに欠かせない専用アプリは「AK TWS」という名称で、Android / iOS用ともすでにリリースされています。
このアプリからUW100のバッテリー残量確認や、アンビエント(外音取込)モードのON/OFFおよびレベル調整、プリセットイコライザーの適用、タップ操作の機能入れ替え(一部のみ)が行えます。アンビエントモードはONにすると4段階のレベル調整が可能です。
それではいよいよ試聴です。今回はAndroidスマートフォンとaptXで接続し、サブスク音源を何曲か聴いてみました。
左右だけでなく前後にも充分な空間を持たせた音場の広さと、AK製品に共通する中低域をメインとした聴き取りやすいサウンドが特徴です。
高域はシャープながらスッと消え、伸びよりも瞬発力が印象に残ります。イヤーピースをぐっと耳の奥まで押し込んだ際の低域はやや量感ある押し出しの強さを感じますが、意外とキレよく他の音域を潰さないバランスになっています。
搭載するのがBAドライバー1基のみ、ということで音のまとまりの良さはあっても分離感はどうだろう…という心配はありましたが、各帯域の鳴らし分けと左右のセパレートの良さは予想以上です。
フルレンジならではのまとまりと分離感の両立、このあたりにDACチップ「AK4332」を採用した理由が現れているように思います。
Bluetooth バージョン | 5.2 | Bluetooth 対応コーデック | AAC、aptXAdaptive、SBC |
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DAC | AKM AK4332ECB | ドライバー | Knowles BA |
重さ | イヤホン:約7g、ケース:65g | SPL(Sound Pressure Level) | 94dBSPL/1mW@1kHz |
【商品情報】Astell&Kern AK UW100 Black
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Astell&Kern初となる完全ワイヤレスイヤホン「AK UW100」は
・多面構成が多用されたAK独自の”光と影”デザイン
・タッチパネルによるシンプルな操作感
・DACチップ「AK4332」採用による分離感の良さに1BAのまとまりの良さが融合したサウンド
と、Astell&Kernがこれまで培ってきたブランドのオリジナリティが見事に表現されているイヤホンとなっています。
Astell&Kern 「AK UW100」は本日よりご予約受付開始、発売は4月9日を予定しております。
デモ機もご用意しておりますのでぜひ一度店頭でお試しください!もちろんイヤーピースをSednaEarfit Crystalに替えてのご試聴もOKですので、その際は店頭スタッフまでお申し付けください。