ハイビィミュージックの最新DAP「R6 Pro II」をオーディオ専門店スタッフがレビューします。オリジナリティあふれるデザインと豊富な機能を搭載、落ち着いたトーンの滑らかで聴き心地の良いサウンドが特徴のポータブルプレーヤーを詳しく紹介します。
目次
HibyMusicとは
R6 Pro IIの外観と特徴
R6 Pro IIの音質レビュー
製品仕様
まとめ
HiByMusic(ハイビーミュージック)は、中国・東莞(ドンガン)市に本社を構えるポータブルオーディオブランドです。2017年に設立されたばかりの比較的新しいブランドですが、その翌年にはポータブルプレイヤー(DAP)の「R6」をひっさげて日本市場に参入。以来、DAPを中心に小型USB-DACやイヤホンといったポータブルオーディオ製品を次々に送り出しています。
2019年3月にはデビューモデル R6 の回路を一新、4.4mmバランス端子を搭載した「R6 Pro」を発売、こちらも人気モデルとなりました。
そしてさらに4年後の2023年、伝統のR6シリーズがまた新たな進化をとげて登場しました!それがこちらの「R6 Pro II」です!
今回はこの新型モデル・R6 Pro IIについて、詳細と音質レビューをお届けいたします。
まずは付属品のご紹介です。R6 Pro II本体のほかには、液晶および背面保護フィルム、クイックガイド(中国語および英語のみ)、専用ケース、充電・データ転送用USBケーブル(両端Type-C)、Type-C to A変換アダプタが入っています。
パッケージに専用ケースが含まれているのは嬉しいポイントですね。R6 Pro IIはパープル・ブラックの2カラー展開で今回のサンプルにはパープルモデルを使用していますが、専用ケースも本体カラーに合わせてパープルとなっています。なお、ブラックモデルに付属している専用ケースはグレーです。
R6 Pro IIのサイズは147.45 × 75.2 × 15mm、画面サイズは5.9インチとやや大きめです。前モデル・R6 ProがいかにもDAP、という感じのデザインだったのに対し、R6 Pro IIはスマートフォンのようなスッキリとしたデザインになっています。外見上の共通点を強いて挙げれば、物理スイッチはすべてボタンで構成されているという点くらいでしょうか。
本体右側面には左からボリュームボタン(上下が一体化したシーソータイプ)と電源ボタンが並びます。電源ボタンの右隣に見える黒い溝のようなものはLEDインジケーターで、こちらは再生中のファイル形式やサンプリングレートに応じた色で光ります。
本体左側面には左からmicroSDカードスロット、「戻る」ボタン、「再生・進む」ボタン(一体化したシーソータイプ)が並びますが、ちょっと変わっているのが「再生・進む」ボタンという割り当てでしょうか。ついつい「戻る」と「進む」がセットになっているのかと思いがちですのでご注意を。
こちらが本体上部…ですが、ご覧のとおりなにもありません。なーんだ、と思われるかもしれませんが、実はこの「なにもない」がのちほど「なるほど、だからなにもないのか!」と驚くことになるかも…。
本体下部には左から4.4mmバランスのラインアウト、3.5mmシングルエンドのラインアウト、USB-TypeC端子、3.5mmシングルエンドのイヤホン端子、4.4mmバランスのイヤホン端子が並んでいます。ラインアウトとイヤホン端子とが独立していますので、間違えてイヤホン・ヘッドホンをラインアウト側に刺さないようお気をつけください。
そしてこちらがR6 Pro IIの見た目における最大の特徴、背面となります!「えっ、背面は波打ってるの?!」と思わず驚いてしまいますが、これは細かく掘られた溝の湾曲やサイドのカッティングによる目の錯覚。実際は上の写真でもおわかりのとおり、平らになっていますのでご安心ください。といっても、せっかくのこのユニークな背面も付属の専用ケースに入れてしまうとまったく見えなくなってしまうのが残念です…
なお、上半分にはカーボンパターンとメーカーロゴが、下半分には目の錯覚を誘う多数の溝がそれぞれ配置されていますが、付属の保護フィルムは溝部分には貼り付けられないので上半分だけの形状になっています。
続いて、R6 Pro IIの内部についてご紹介。搭載するDACチップは旭化成エレクトロニクス(AKM)のフラッグシップチップ・AK4191EQ + DUAL AK4499EXです。このDACチップを電流出力モー ドで使用し、デジタル変換とアナログレンダリングを完全に独立して稼働します。
R6 Pro IIの電源部は、電源回路設計歴30年以上というキャリアを持つHibyのエンジニアにより設計されています。高フラックス、超低内部抵抗、完全シールド型ハイパワーインダクタを多数使用し、デジタル、デコード、プリアンプ、出力段の4部門の電源を独立させることで、お互いに干渉のない純粋な電源を実現しました。
R6 Pro IIにはCLASS A/ABデュアル増幅回路も搭載されています。音のパワーと密度を高めると同時により強力なドライブコントロールが可能になるCLASS Aアンプモード、より長い再生時間と低発熱を実現するCLASS ABアンプモードは簡単に切替可能です。
機能面で個人的にイチオシしたいのが、こちらの「Flip vertically」機能です。画面上部分を下にスワイプすると現れるメニューから選択可能なこの機能、実は「RS6」や「R6 III」などのHiby製DAPにも搭載されているのですが、特にこのR6 Pro IIでは非常に便利な機能となっています。
この「Flip vertically」機能を切り替えると…
おわかりでしょうか、画面表示が上下さかさまになるのです。これのなにが便利かというと…先にご紹介したとおりR6 Pro IIのイヤホン端子類はすべて本体下部に配置されているので、たとえばポケットなどに入れた場合には自然と逆さの状態になってしまいます。
机の上などに置く場合も、スペースの都合でどうしても端子が邪魔になってしまうこともあるのではないでしょうか。また、いつもは端子類が上にあった方がいいけど、ポータブルアンプと組み合わせる時は下にある方が使いやすいんだけど…というケースもありますよね。こうした場合に、この機能で必要に応じて上下を入れ替えてしまえばより操作しやすくなる、というわけです。
さらに、このR6 Pro IIは本体上部に「なにもない」ので、逆さにしたところで重みなどで押されるボタン、スイッチなどもなく、誤操作などの心配もまったくありません。画面も本体とほぼ同じサイズなので、逆さにしたらタッチしにくい・操作できないということもないのです。これ、地味ですがDAPとしての使い勝手が各段に上がる機能ではないでしょうか。
なお、この機能で画面表示を逆さにしても、本体側面のボリュームや「戻る」「進む」など各ボタンの動作はそのままですのでその点だけご注意ください。
それではサウンド面もチェックしていきましょう。今回は音質もさることながら、フェイスプレートのカラーリング的にもこの R6 Pro II(パープルモデル) にピッタリではないかと思い、Rhapsodioの片側22BAドライバー搭載イヤホン Infinity PLUS を組み合わせて聴いてみました。
【商品情報】Rhapsodio Infinity PLUS
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やや落ち着いたトーンでフラット傾向のサウンドです。パッと聴いた瞬間の派手さこそありませんが、しばらく聴いているうちに各音域がなめらかにつながり、すっと耳に入り込んでくることに気がつきます。
音色としてはややウォーム感があるものの低域の歯切れも良く、解像感も充分高いかと思います。音場の広さはほどほど、という感じですが定位感・前後感もあり立体的な音の空間表現に優れています。ちょっと時間があるから1曲だけ、と思っていたのに気がついたらずっと聴いてしまっている…という聴き心地の良さを持ったプレイヤーです。
入力 | USB3.1 | 出力 | 【アナログ】3.5mm PO / 4.4mm BAL, 3.5mm LO / 4.4mm BAL LO【デジタル】USB Type-C |
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内蔵メモリ | 64GB | 外部メモリ対応 | microSDスロット×1 (最大2TB) |
OS | Android 12 | 再生時間 | Class AB / 3.5mmPO:8 時間 4.4mmBAL:7 時間、Class A / 3.5mmPO:6 時間 4.4mmBAL:5 時間 |
サイズ (W×H×D) | 75.2×147.45×15mm | 重量 | 約285g |
【商品情報】HibyMusic R6 Pro II
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HibyMusicの最新ポータブルプレイヤー「R6 Pro II」は、
・一見複雑な形状に見えるオリジナリティあふれるデザイン
・「CLASS A/ABデュアル増幅回路」や「Flip vertically」など豊富な機能を搭載
・落ち着いたトーンで各音域がなめらかにつながる、聴き心地の良いサウンド
ユニークな外見と機能に正統派サウンドを搭載した、非常にバランスの優れたポータブルプレイヤーとなっています。
R6 Pro IIは本日より発売開始となりました!店頭デモ機は今回ご紹介したパープルモデルはもちろん、ブラックモデルもご用意いたしましたのでぜひ店頭でお試しください!