final（ファイナル）は2007年に設立された日本のオーディオブランドです。当初は「final audio design（ファイナルオーディオデザイン）」という名称でハイクラス製品を中心にリリースしていましたが、2014年にブランド名を現在の「final」に変更。2,000円台から40万円台までのイヤホン・ヘッドホンを取り揃え、幅広いラインナップで人気を集めています。

そのfinalが監修する日本のワイヤレスオーディオブランドagから2021年に発売されたWHP01Kは、そのコンパクトなデザインと確かな音質で瞬く間に人気を獲得しました。

そして、finalからag WHP01Kのサウンドを一新させたノイズキャンセリングヘッドホン「UX3000」が発売されました。今回は、「UX3000」を詳しく紹介します。

ag WHP01Kとデザインはほとんど変わりませんが、側面にfinalのロゴと若干ざらざらとした質感のボディ部分に違いがあります。

こちらは、軽量の樹脂筐体にfinalのフラッグシップワイヤレスイヤホン「ZE8000」と共通の皮脂や指紋がつきにくいシボ塗装仕上げとなっています。高級感のある意匠です。

イヤーパッドの下部に電源、音量＋－、ノイズキャンセリングボタンと3.5mmケーブルジャック、USB-TypeCが左右に装備されています。

ヘッドバンド部分はコンパクトに収納ができる折りたたみ式です。

ハウジングは密閉・アラウンドイヤータイプです。

ヘッドバンドは少し厚めのクッション性のある合皮を採用しています。クッション性があるので装着した際に固さを感じません。

ヘッドバンド同様にクッション性があり、しっかりと密閉されます。

ノイズキャンセリングは、外側に設置したセンサー（マイク）によって、周囲の騒音（ノイズ）を集音・逆位相の音を生成することでノイズを低減するフィードフォワード方式と、再生されている音楽と外から入ってくるノイズの両方をマイクで拾って、その逆相の音をスピーカーから出すフィードバック方式、この二つの方式を組み合わせたハイブリッド方式を採用しています。

より丁寧にノイズを分析することでノイズが打ち消され、周囲の騒音が聞こえにくくなります。

SBC、AAC、aptX、に加えて高音質・低遅延コーディックaptX LL、マルチポイント接続に対応するなど、普段使用しやすい機能に対応しています。

そのほか、ご紹介したい機能としては、充電が切れても同梱のケーブルを使用して有線接続で音楽再生が可能な点があげられます。電源が切れても使用できるところは、ワイヤレスイヤホンにはないメリットといえるのではないでしょうか。

それでは、音質レビューをしていきましょう。

装着感は若干側圧がありますが、密閉型のワイヤレスヘッドホンの標準的なタイプといえると思います。

音質は、満遍なくしっかりと芯のある音で鳴らすので、聴き応えがありつつ、しっとりとしたマイルドなサウンド傾向なので聴きやすいです。重厚感のある低域ではありませんが、輪郭がはっきりとしているので、しっかりと聴けます。中音域は、音に角がなく滑らかで心地よいです。

一音一音が濃密に鳴っているので聴いていて楽しいです。高音域は、刺さりやすいサ行も刺さることなく鳴らし、伸びが良く音の広がりも感じられます。

さて、今回はag WHP01Kのサウンドを一新したということなので、ag WHP01Kと比較レビューします。

WHP01Kと比較すると、中高音域の伸びが良くなり、音の広がりがしっかりと感じられるようになりました。

ボーカルは、より艶感がしっかりと感じられ生々しさがあります。一音一音の角がなくなり、よりマイルドになったので、聴き疲れしなそうです。

一万円台でしっかりとfinalの音が聴けるのは、お得なのではないでしょうか。気軽に持ち歩いて使用したくなるヘッドホンです。