有線イヤホンqdc WHITE TIGERのオーディオ専門店スタッフレビューです。片側6基のBAドライバーと2基の静電ドライバーを搭載したTIGERを新たなトーンとフィッティングとなったリミテッドモデルWHITE TIGERを詳しく紹介します。
目次
qdcの「TIGER」とは
qdc WHITE TIGERの特徴
qdc WHITE TIGERの音質レビュー
製品仕様
まとめ
中国のプロフェッショナル・オーディオ市場において、ステージモニター用カスタムイヤーモニターで70%を超えるシェアを誇るブランドとして名高いのがqdc(キューディーシー)です。もちろんカスタムばかりでなくユニバーサルモデル市場でも好評を博しており、日本でもエントリークラスからハイクラスまで、幅広いモデルを展開しています。
その中でも昨年"寅年”に発売されたのが、片側に6基のBAドライバーと2基の静電(EST)ドライバーを搭載した「TIGER」。干支に合わせたネーミングと2層構造のフェイスプレートでトラ縞を表現したユニークなデザイン、チタン製シェルが生み出す美しい響きのサウンドで大人気となったモデルです。
【商品情報】qdc TIGER
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そして今回、そのTIGERがよりお求めやすく、同じ6BA+2ESTハイブリッドドライバー構成でありながらオリジナルとは異なる新たなトーンとフィッティングのリミテッドモデルが登場しました!それがqdcと国内代理店・アユートの共同企画により誕生した「WHITE TIGER」です!
今回はこのWHITE TIGERについて、詳細と音質レビューをお届けいたします。
まずはWHITE TIGERのパッケージ内容からご紹介しましょう。
qdcの一部モデルでおなじみの竹製収納ボックスの中には、イヤホン本体およびケーブル、3.5mm3極・2.5mm4極・4.4mm5極の各プラグ、イヤーピース各種、キャリングケース、3.5mm→6.3mm変換アダプター、航空機用フライトアダプター、クリーニングツール、マニュアル類が収められています。
イヤーピースは一般的なシリコン製シングルフランジ(S/M/L)、シリコン製ダブルフランジタイプ(S/M/L)の2タイプ・各3サイズが付属しています。
付属ケーブルはこちらもqdcの一部モデルでおなじみ、3.5mm/2.5mm/4.4mmの切替が簡単に可能な3in1プラグですが、被膜はこのWHITE TIGERのカラーリングにあわせたグレーカラーシースとなっています。
WHITE TIGERのフェイスプレートには、キラキラとした光沢が特徴のマイカ(雲母)が用いられています。マイカは天然鉱物なのでひとつひとつ模様や色合いが異なりますが、モデル名の”白虎”の毛並みを思わせるようなデザインとなっています。
さらにその上からはWHITE TIGERのためにデザインされたオリジナルロゴが配置されています。まるで月明かりに白虎の鋭い爪あとが刻まれたかのような、インパクト抜群のロゴが印象的です。
オリジナルのTIGERは2層のメタルフェイスプレートとチタン製シェルが特徴でしたが、今回のWHITE TIGERではシェルの素材を一般的な樹脂製としたことにより、かなり軽量化が図られています。こちらのカラーリングもフェイスプレート同様、白虎のような模様となっていますね。
なお、ステム(軸)の部分にはメタルノズルが採用されています。
さて、ここで改めてオリジナルTIGERと見比べてみましょう。これまでの写真ですでにお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、実は今回のWHITE TIGER、変わったのはシェル素材だけではありません。
オリジナルTIGERではqdc製品最大の特徴ともいえる「qdc2pinケーブルコネクター」が使われていましたが、WHITE TIGERでは一般的な「フラットタイプ2pinケーブルコネクター」を採用しています。これはイヤホンファンによるリケーブル需要に応えるため、アユートから提案して実現した変更とのことです。
ちなみに、「qdc2pinコネクター」と「フラットタイプ2pinコネクター」では極性の向きが異なっていますのでご注意ください。
また、こうして並べてみてもなかなかわかりづらいのですが、実はシェルが軽量化されたことにあわせ形状も微妙に変更されているとのことです。
なお、サウンド面については何度も試作およびチェックを繰り返した結果、オリジナルTIGERからドライバー構成・チューニングとも変更はせず、キャビティ構造などの筐体特性のみで音を変化させているそうです。
それではWHITE TIGERのサウンドをチェックしてみましょう。プレイヤーにはAstell&Kern KANN ALPHAを使用しました。
中域~高域がクッキリと浮かび上がる、非常に明瞭なサウンドです。低域はややタイトですが質感はしっかり感じられるので不足している印象はありません。左右の広がり感はほどほどですが前後の立体感は充分に表現されており、定位感にも優れています。
それではオリジナルTIGERと比較するとどうでしょうか。全体的な傾向はほぼそのまま、という感じですが、オリジナルTIGERに現れていた音の響きがなくなり、そのぶんWHITE TIGERでは音のキレを感じさせます。また、筐体そのものが軽量化したことにより、特に長時間の装着で装着感の違いを感じました。
もちろんオリジナルTIGERが極端に重いわけではないのですが、どうしても「耳に着けている」感触が時間を追うにつれて増してくるので、その点ではWHITE TIGERの方がストレスなく音楽を楽しめるかと思います。ただし、チタン筐体だからこそ実現できている響き感はオリジナルTIGERならではの味わいでもあるので、ここはユーザーの好みに応じて選びたいところです。
ドライバー | ハイブリッド型 | ドライバー数 | 6BA+2EST / 8ドライバー(片側) |
---|---|---|---|
周波数応答範囲 | 10 - 70000 Hz | 入力感度 | 105dB SPL/mW |
インピーダンス | 15Ω | ケーブル | 3in1プラグ採用ケーブル(約120cm) |
コネクタ | カスタムIEM 2pin | プラグ | (L字):3.5mm×1 / 2.5mm×1 / 4.4mm×1) |
【商品情報】qdc WHITE TIGER
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qdcと国内代理店・アユートとの共同企画で生まれた限定モデル「WHITE TIGER」は、
・白虎の毛並みを思わせるシェルカラーとマイカの光沢が美しいフェイスプレート
・リケーブル需要に応えたフラットタイプ2pinコネクター採用
・中~高域メインの明瞭なサウンドと優れた定位感、さらに軽量で装着感も良好
オリジナルTIGERとはまた違った魅力を持ち合わせた、手の届きやすい価格帯のイヤホンとなっています。
こちらのWHITE TIGERは本日より発売開始、もちろん店頭デモ機もご用意しております。オリジナルTIGERとの比較試聴も可能ですので、ぜひ店頭でそれぞれのサウンドをお楽しみください!