普段ヘッドホンやイヤホンで音楽を楽しむ方にとって、 ヘッドホンアンプの効果は驚くほど高いものです。まだ体験したことのない方、ちょっと興味があるという方が一歩を踏み出したくなる、驚くべきその効果をご紹介します。
目次
そもそもアンプって何?
ヘッドホンアンプとは
ヘッドホンアンプは必要?
ヘッドホンアンプの効果
ヘッドホンアンプの種類
ヘッドホンアンプの効果を最大限に引き出すために
まとめ
好きな音楽を高音質で聴きたい方は、イヤホン・ヘッドホンを変えてみようと思うのではないでしょうか。イヤホン・ヘッドホンを変えることで音質が変わったという体験をしたという方は多いと思いますが、同時に音質を向上する上で欠かせないのがDAC(Digital to Analog Converter/デジタルトゥアナログコンバーター)、そしてヘッドホンアンプです。
この記事では、その中でも音の増幅を担うヘッドホンアンプについて解説していきます。
※DACについては別途記事で解説をしていますのでそちらを参考にしてください。
【2023年】USB DACおすすめ15選!専門店スタッフが厳選
» こちらの記事を見る
「アンプ」といえばギターアンプを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。アンプとは音を増幅する装置のことで、音声信号を増幅させたり、音量を調節したり、音質の向上を目的とした機器のことです。
ギターやレコードプレーヤーの読み込む音の信号はとても小さいため、音を増幅してスピーカーやヘッドホンに届ける必要があります。その役割を担うのがアンプです。
アンプにはたくさん種類がありますが、ヘッドホンアンプはアンプの中でもヘッドホンに特化したものです。
簡単にいうと、ヘッドホンアンプはヘッドホンの音を全力で鳴らすためのもののことです。ヘッドホンは微弱な電圧と電流を扱う、非常にデリケートな性質をもった機器なので、高精度に扱うために専用のヘッドホンアンプが作られています。
ヘッドホンをスマホやPCに直接つないでも音は出ますが、その性能を十分に発揮するためには、ヘッドホンアンプは欠かせないデバイスといえます。
PCやスマホにもアンプは内蔵されていますが、音楽専用に作られているものではありません。そのため、出力が不十分であったり、ノイズが発生しやすかったりする場合があります。
特にスマホやタブレットなどのアンプは、コンパクトなサイズに対応するため出力が最小限となっています。ヘッドホンアンプは十分な出力とノイズの軽減を考慮した専用設計になっているため、ヘッドホンの音質が向上するというわけです。
しかし、高価格なヘッドホンアンプを使えば低価格のヘッドホン、イヤホンでも必ず高音質に変わるかというとそうとは限りません。
ここからは、ヘッドホンアンプの効果について解説していきます。
気に入ったヘッドホンがリスニング向けの高音質なヘッドホンの場合、本領を発揮するためにヘッドホンアンプが必要です。
音量をとるための基準はインピーダンス値(単位 Ω)を参考にすることができます。インピーダンスはヘッドホン、イヤホンに限って簡単に言うと「抵抗値」のことです。このインピーダンスの数値が大きいほど音量がとりにくくなります。
※実際にはインピーダンス以外の要素も影響します。
低いインピーダンス値のヘッドホンは抵抗が小さいので、少ない電圧でたくさんの電流が流せますが、高いインピーダンス値のヘッドホンは抵抗が大きいので電圧が大きくても電流は小さくなってしまいます。
スマホやPCに直接接続して使用することを想定したヘッドホンはインピーダンス値を低く作られているものが多く、室内でのリスニングを想定している高音質なヘッドホンはインピーダンス値 300 Ω など高く作られています。
高いインピーダンスのヘッドホンでも、ヘッドホンアンプを使えば十分な電流を流すことができ、ヘッドホンのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
つまり、インピーダンス値が高いヘッドホンを出力の低いスマホやPCに直接つないでも本領を発揮できず、逆に、インピーダンス値が低いヘッドホンを出力の高いヘッドホンアンプにつないでもパワーが強すぎて扱いきれない、ともいえます。
ヘッドホン、ヘッドホンアンプを購入する際にはスペックをチェックして最適なものを選びましょう。
ヘッドホンアンプを通すことによって、スマホやPC、オーディオプレーヤーの音を増幅させ、音のパワーが増すという効果があります。また、単純にボリュームも上がりますので、音量不足も解消されます。
ヘッドホンアンプは、ヘッドホン特有の微弱な電圧と電流に合わせた部品やチューニングされています。そのため細かな音はより鮮明に聴こえ、大きな音はより迫力を感じることができます。
楽器の各セクションやボーカル、コーラスなどがそれぞれしっかりと独立して聞くことができるようになり、ハイクオリティサウンドをヘッドホンで楽しむことができます。
今までは「聞こえなかった音」まで聞こえてくるなんてこともあるかもしれません。
ヘッドホンアンプには、ノイズ低減が考慮されたモデルも多く、非常に音がクリアに聞こえるようになり、ノイズの少ないストレスフリーなリスニング環境を実現できます。 キメ細やかでハイクオリティな音質になればなるほど、ノイズは際立って気になってしまいますので、嬉しい効果です。
室内に設置するために、AC電源やUSB電源に対応しているのが据え置きタイプのヘッドホンアンプ。さまざまな入出力端子を備えているモデルも多く、独自の回路を組めるので、ポータブルタイプより良い音質を期待することができます。室内で高音質の音楽を楽しみたい方、PCに繋いで使用したい方におすすめです。
ポータブルヘッドホンアンプは、主に屋外で使用するためにバッテリーで駆動するように作られています。
ポタアンを通して出力することにより、屋外でも高音質の音楽を楽しむことができるようになります。据え置きタイプよりも手が届きやすい数千円のものから幅広くラインナップされており、スマホやDAP(ポータブルデジタルオーディオプレイヤー)と接続して手軽に高音質を追求したい方におすすめです。
スマホやDAPは内蔵電池で画面、DAC、アンプ、HDDなど様々な機能を動かす必要があるため省エネ設計になっており、音質が制限されている場合もありますので、音質に不満を感じたらぜひポタアンをお試し下さい。
現在発売されているヘッドホンアンプはUSB DACが内蔵されているものが主流となっています。
USB DACとはPCとUSBケーブルで接続することをメインとしたDACのことです。
DAC(Digital to Analog Converter/デジタルトゥアナログコンバーター)とは、音楽を再生する際に、CDなどに入っているデジタル信号をアナログ信号に変換する機器のことです。
PCにもDACは内蔵されていますが汎用の物のため、「高音質」というわけではありません。また、PC自体も音楽専用の機械ではないためノイズが発生しやすく、内蔵DACでの再生では音質に悪影響が出てしまいます。USB-DACはノイズ源からの分離・隔離設計を施すことで、ノイズが少ない状態で音楽再生が可能です。
また、音楽用に作られているため、より高音質で音楽を楽しめます。
「ヘッドホンの本領を発揮するためのヘッドホンアンプ」と「ノイズの軽減や高音質再生をするDAC」、両方の力を発揮するUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプなら一台で手軽に高音質な音を楽しむことができます。
ヘッドホンアンプの効果についてお話ししてきましたが、効果を最大限に引き出すためにはポイントがあります。それはプレーヤー側もヘッドホンアンプ側も、ほどほどのボリュームで使うということです。
ボリュームが大きすぎれば音が歪むだけでなく、耳を傷めたり、難聴の原因となる可能性もあります。逆にあまりボリュームが小さいと、左右の音量バランスがくるってしまう「ギャングエラー」という現象が発生したり、ノイズが増えやすくなるので注意しましょう。
ヘッドホンアンプによるさまざまな効果をご紹介しました。内容をまとめるとヘッドホンアンプの効果的な使い方は
・抵抗が大きくボリュームが取りずらいヘッドホンで音楽を聴くならヘッドホンアンプに繋いで本領発揮!
・スマホに繋いで簡単に高音質を楽しみたいならポータブルヘッドホンアンプ
・PCに繋いで手軽に高音質で楽しむならUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ
スマホや音楽プレイヤーで音楽を聴いていて満足している、ということであれば必要ないともいえますが、もっと高音質で音楽を楽しみたいのであれば、ヘッドホンアンプの使用をおすすめします。ぜひ、お使いの用途に合わせて最適なものを選んでください。