オーディオ機器は、プレーヤー、アンプ、スピーカーなど役割によって種類があります。オーディオを始めたい方に向けてオーディオ専用機器の基本とリスニング環境に合わせた選び方を、オーディオ専門店スタッフが解説します。
目次
基本的なオーディオシステム構成
プレーヤー
アンプ
スピーカー
デジタルオーディオとアナログオーディオの比較
オーディオ環境と機器の選び方
オーディオケーブル
まとめ
自宅でお気に入りの音楽をとことん楽しみたい方のために、基本的なオーディオ機器の構成や選び方を解説します。まずは、基本的なオーディオ環境の構成から紹介していきましょう。
まず、音を再生するためにはプレーヤーが必要です。PCやスマホ、レコードプレーヤーなどの再生機器から音の信号を送ります。
次にアンプです。PCやスマホにもアンプは内蔵されていますが、音楽専用ではないため出力が弱く、音質が劣る場合があります。音を増幅するために、アンプを介してスピーカーに接続することで、オーディオシステムを構成することが基本となります。
また、デジタル音源の場合は、音源データをデジタルからアナログに変換するためのUSB DACや、音を増幅してスピーカーに送るためのパワーアンプなどの機器が必要です。
さらに、スピーカーにはアンプ内蔵型とアンプが必要なものがあり、システムに応じて選ぶべき機器が異なります。
ちょっと複雑ですよね。各機器について解説していきます。
音楽を再生するためのプレーヤーを紹介していきます。
SONYのウォークマンに代表されるDAP(デジタルオーディオプレーヤー)とは内蔵ストレージやSDカードなどの外部ストレージに音楽ファイルを入れて楽しむ音楽再生専用デバイス、音楽プレーヤーのことです。
より高音質で音楽を楽しめるハイレゾ音源に対応したモデル、Bluetoothワイヤレス接続で楽しむ機能や音楽ストリーミングサービスに対応したモデルなども続々と登場しています。
▼ DAPのおすすめを別途記事で紹介していますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
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レコードプレーヤーとは、CDやカセットテープより以前、年代では80年以前に普及されていたアナログレコードを再生するための機器のことです。音の信号を円盤の溝に記録されたアナログレコードの音を再生するために信号を読み出し、電気信号として増幅して送り出す役割を担います。
レコードプレーヤーが読み込む音の信号はとても小さいため、音楽を楽しむためには、音の信号を増幅してスピーカーに届けるアンプが必要になります。
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CDプレーヤーは、音楽CD(コンパクトディスク)に記録されたデジタル音楽データを読み取り、アナログ信号に変換して再生する機器のことです。
デジタル信号をアナログ信号に変換するためのDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)を内蔵しており、変換することでスピーカーやヘッドホンで音楽を再生できます。
今、最も注目されているプレーヤーが音楽ストリーミングサービスに対応したネットワークプレーヤー(ネットワークストリーマー)です。
Spotify、Apple Music、TIDALなどの音楽ストリーミングサービスから直接音楽を再生するほか、Wi-Fiやイーサネットを介して家庭内ネットワークに接続し、NASやPCに保存されている音楽ファイルを再生できます。
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アンプ(アンプリファイア、Amplifier)は、音声信号や音楽信号を増幅するための電子機器です。オーディオシステムにおいては、プレーヤーから出力された音声信号をスピーカーで再生する際に、信号を強化して音質や音量を適切に保つ役割を担います。
オーディオアンプの場合はUSB DAC機能やヘッドホンアンプを兼ねているものが主流となっていますので、それぞれの役割について解説します。
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USB DACは、DAC(Digital to Analog Converter/デジタルトゥアナログコンバーター)自体がメインの機能ですが、アンプの機能も含んでいることが多いため紹介します。
DAC(Digital to Analog Converter/デジタルトゥアナログコンバーター)とは、音楽を再生する際に、音のデジタル信号をアナログ信号に変換する機器のことです。デジタルの音声信号は、そのままでは出力できません。そのため、音の信号をアナログに変換するDAC機能が必要となります。
DACの中でもPCとUSBケーブルで接続することをメインとしたDACをUSB DACといいます。ノイズ源からの分離・隔離設計を施すことで、ノイズが少ない状態での音楽再生が可能です。
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オーディオアンプの中でもプリアンプは音声の入力を切り替えたり、音を細かく調整する役割を担います。
パワーアンプは、スピーカーが駆動するために音楽の信号を増幅する役割を担います。
プリアンプとパワーアンプの両方の機能を1台にまとめたものがプリメインアンプです。
ヘッドホンアンプはアンプの中でもヘッドホン用途に特化した音を増幅する装置のことで、音声信号を増幅させたり、音量を調節したり、音質の向上を目的としています。
▼ ヘッドホンアンプの効果について詳しく解説していますのでこちらの記事も合わせてご覧ください。
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アクティブスピーカーは、アンプが搭載されているスピーカーのことです。音量調節やワイヤレス接続が可能な機種もあります。アクティブスピーカーにはBluetoothスピーカーやPCスピーカーが含まれます。
パッシブスピーカーは、アンプを接続しないと音が出せない、アンプとの接続が必要なスピーカーです。アンプを繋ぐことで様々な音色を楽しむことができます。
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デジタルオーディオは、音声データをデジタル信号に変換した音源データを再生するものです。元の音声を高い精度で再現できて、データの劣化が少ないことが特徴です。MP3やWAV、AIFFなどファイル形式が多く、用途に応じて最適な形式が選べます。
容易にデータの保存や移動ができることがメリットですが、オーディオファイル形式によっては圧縮により音質が劣化することがあります。
一方で、アナログオーディオは、音声を電気信号として記録し、再生するものです。アナログ特有の温かみのある自然な音質が楽しめます。レコードプレーヤーや真空管アンプなどのオーディオ機器はビンテージが好きな方やサウンドにこだわりたい方から人気があります。
レコードやカセットテープなどのアナログメディアは、劣化しやすく、ノイズが発生しやすい点がデメリットです。
オーディオシステムは、基本的に再生機器によってアンプやスピーカーなどの構成が変わってきます。厳密にはこの限りではありませんが、基本的なオーディオシステム例を紹介していきましょう。
スマホで再生する
スマホをプレーヤーとしてアンプが内蔵されているアクティブスピーカーとBluetooth接続して、ワイヤレスで手軽に音楽を楽しむ方法です。スマホの普及と共に最も一般的なリスニング方法となりました。
CDやレコードを再生する
CDやアナログレコードといった「物理メディア」に収録された音源をアナログケーブルでアンプ・スピーカーに繋いで再生するオーディオシステムです。
PCやDAPで再生する
PCやスマホ、ウォークマンを代表とするDAP(デジタルオーディオプレーヤー)から音源を再生し、USB DAC・アンプを介してスピーカーやヘッドホンで音を聴くオーディオシステムです。
ネットワーク音源を再生する
PCやNAS(音楽ストレージ)にまとめられた音源データとインターネット上の音源データをネット回線を介してネットワークプレーヤーからスピーカーやヘッドホンに繋いで音楽を聴くオーディオシステムです。
オーディオケーブルは、アナログプレーヤーやスマートフォンなどの音を出力する端末からアンプやスピーカーに電気信号を流すためのケーブルです。素材や構造によって音質に影響があり、音質が変化するためオーディオ専用設計のケーブルが販売されています。
▼ オーディオケーブルについては、別途記事で解説していますのでこちらも合わせてご覧ください。
音質が変化する?オーディオケーブルの種類と選び方
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オーディオ機器の基本的な特徴やオーディオシステムの構成、選び方を解説しました。
アナログレコードの再生や音楽ストリーミングサービスの利用など、再生機器によってさまざまなオーディオシステムの組み方があります。それぞれの機器によって役割が異なるため非常に複雑ですが、この記事で紹介した内容を参考にして、ぜひお好みのオーディオ環境で音楽を楽しんでください。