AUDEZE（オーデジー）は、2008年にアメリカで設立され、「平面磁界型ドライバー」を採用したヘッドホンで知られるオーディオブランドです。2023年8月ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)による買収が発表されたことでも話題になりました。

そんなAUDEZEのゲーミングヘッドホンをフジヤエービックスタッフが詳しくレビューします。

Maxwellは、遮音性が高くゲームに集中しやすい密閉型を採用しています。左側ハウジング部分に電源ボタン、側面にブームマイク、USBケーブル端子などが設置されています。

ドライバーは、世界中のレコーディングスタジオやゲームスタジオに採用され、評価を得ているブランド独自の最新90mm平面磁界ドライバーを搭載、Uniforce ボイスコイル、Fluxor マグネット、Fazor ウェーブガイドなどヘッドホン開発で培った特許技術が使用されています。

ヘッドバンドは、交換可能なサスペンションストラップにより3段階のサイズ調整が可能となっており、頭部にバランス良く負荷がかかることで長時間のゲームプレイも負荷がかかりにくい形状です。

イヤーパッドの素材は、非常に柔らかいメモリーフォーム (人工皮革)を採用しています。

マイクは、A.I. ノイズフィルタリングマイクを採用、Audeze の FILTER ノイズリダクションテクノロジーにより、バックグラウンドノイズを効果的に除去することで、クリアで聞き取りやすい音声通話が可能です。

実際に使用してみたところ、テレビの音が聞こえる部屋や他人のしゃべり声がある環境でも、相手側へクリアな音声を届けることができました。特に、discordなどのノイズキャンセリングが組み込まれていないアプリでも、ノイズリダクション性能を発揮します。ノイズの多い環境で通話したいという場合にも非常におすすめのゲーミングヘッドセットです。

ゲーム内の臨場感や没入感を高める重要な要素のひとつが「空間オーディオ」です。実際にこのヘッドホンを使用してゲームをプレイすると、上下の音を含む空間オーディオが非常に魅力的に感じられます。例えば、敵の足音や飛行機の飛来音が、上下左右から聞こえ、ゲームの世界に深い没入感をもたらします。

ワイヤレス環境で特に不安を感じるのは遅延なのではないでしょうか。

Maxwellには専用の 2.4GHz 超低遅延ワイヤレス接続が可能なUSB-Cドングルが付属しています。このUSB-Cドングルを使用してゲームをプレイテストを行いましたが、有線接続との違いがほとんど感じられないほどの低遅延でプレイすることができました。

FPSでは足音から瞬時に敵の位置を把握することができ、臨場感あるゲーム体験が可能です。PCでは96khzのハイレゾ音源の再生も可能なので、高音質な音楽も楽しむことができます。

それでは、装着感についてレビューしていきます。装着してみると側圧は強くなく、非常に柔らかいメモリーフォーム (人工皮革)のイヤーパッドと頭に合わせて変形するヘッドバンドは、6時間以上ゲームをしていても非常に快適でした。長時間のゲームプレイや音楽鑑賞でも、頭や耳に余計なストレスを感じずに使い続けることができるのではないでしょうか。

続いて音質レビューです。一般的に平面駆動方式のヘッドホンは、フラットな音色が特徴とされていますが、平面駆動方式とは思えないほど多彩な低音が感じられ、爆発音や重低音が非常にリアルに表現され、臨場感あふれるサウンドとなっています。解像度も非常に高く、曇りのないクリアな音質です。

FPSのゲームにおいて特に重要視したい敵のリロード音など些細な音の違いも感じ取ることができました。

Audeze HQアプリを使用して、簡単にイコライザーの設定をスマートフォンでも変えることができます。個人的にはデフォルトのままでも非常に使いやすく感じましたが、ゲームごとの足音の特徴に合わせたプリセットを自分好みに作り出すことでより楽しめるのではないでしょうか。

音楽鑑賞においても低音のパンチや平面駆動ならではの高音の伸びを感じられるので、ゲームプレイと両立してご使用いただくことができます。

せっかくの機会なのでさまざまなゲームジャンルが楽しめるオンラインゲーム、フォートナイトをMaxwellを使用してプレイしてみました。

足音をフォーカスされたかのように大きく聞こえさせ、同じ建物にいる敵の位置も正確に判断できました。資材を集めるときの音も驚くほど臨場感があり、ゲームへの没入感を高めてくれました。APEXでも使用しましたが、どのレジェンドの足音でも聞き取りやすかったです。

最初は過度に聞こえることに戸惑うかもしれませんが、数日使用して慣れると他のイヤホンやヘッドホンに戻れないほど優れた性能を感じました。また、どのゲームにおいてもUSBドングルと無線接続することにより、有線ヘッドセットとの違いがほとんど分からないほど遅延はほぼ感じませんでした。