ONIX Overture XM5をオーディオ専門店スタッフがレビューします。ビンテージONIXブランドデザインに、ESS社の最新鋭超低ノイズDAC「ES9039SPRO」を採用、ウォーム感のある自然な音質が特徴のDAPを紹介します。
目次
ONIXとは
Overture XM5の特徴
Overture XM5の音質レビュー
製品仕様
まとめ
ONIX(オニキス)はイギリス南東部の都市・ブライトンで1979年に誕生したオーディオブランドです。スピーカー用アンプを中心としたラインナップで80~90年代のオーディオシーンを代表する人気ブランドとして知られましたが、紆余曲折を経て、現在は台湾企業のハイエンドオーディオブランドとして活動しています。
昨年末には中国のオーディオメーカー・Shanling(シャンリン)の協力を受け、オールインワン・オーディオシステム「ONIX Miracle」を発売しました。
ONIX ONIX Miracle レビュー | 3ユニット構成の唯一無二のハイエンドオーディオシステム
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そのONIXから今度はついにポータブルプレイヤー(DAP)が登場します!それがこちらの「Overture XM5」(以下「XM5」)です!
今回はこのXM5について、詳細および音質レビューをお送りします。
ブランドカラーのひとつであるブラックを基調としたパッケージを開けると、同じくブラックのボディに無数の溝が刻まれたおなじみのデザインが姿を現します。
内容物はXM5本体、ドキュメント類、スクリーンプロテクター、USB-A to Cケーブルとシンプル。この写真ではうまく写せませんでしたが、USBケーブルのType-C端子だけONIXのもうひとつのブランドカラーを意識してか金メッキが施されていました。
改めてXM5本体を眺めてみましょう。ブラックのボディにゴールドのボリュームノブという”ビンテージONIXブランドデザイン”を採用しているのはMiracleゆずり。実際の大きさとしては115mm × 69.6mm × 19mmと最近のDAPの中では小型の部類に入りますが、重量は約275.6gと重厚感のある仕上がりです。
もうひとつ目を引くのがフロント面の構成ではないでしょうか。5インチを超える大画面DAPも珍しくない中で、3.0インチの正方形タッチスクリーンと物理ボタンが並ぶ様子はちょっとしたレトロっぽさすら感じさせます。
スクリーン下に配置された4つの物理ボタンは左から「戻る」「再生・停止」「進む」、そして一番右が”カスタマイズファンクションボタン”となっています。もちろんそれぞれの操作はスクリーンのタッチ操作でも行うことができます。
カスタマイズファンクションボタンには、設定から「メインメニューに戻る」や「スクリーン回転」、「ゲイン変更」といった任意の機能を割り当てることが可能です。
本体上部にはUSB Type-C端子とmicroSDカードスロットを装備。別途OTGケーブルをご用意いただければ、USB-DACとしても使用可能です。
なおXM5には内蔵ストレージ(メモリ)はなく、楽曲データはすべてmicroSDカードに入れて再生することとなります。
本体下部には左から3.5mmシングルエンド端子、4.4mmバランス端子、そしてONIXらしさを表すゴールドのボリュームノブが並びます。電源のON/OFFはこちらのノブ長押しで行います。
端子類は上にあった方が使いやすいのに…という方もご安心ください、XM5はスクリーンが正方形であることを活かして”90度ごと”に画面表示を回転させることができるので、本体を逆さにしたままで運用することが可能です。
左右の側面にはなにも配置されていませんが、こちらにもまたONIXらしさを感じさせるカッティングが施されています。この溝が滑り止めの役割も果たしているので、ホールド感もばっちりです。
XM5に搭載されているDACチップは、まだまだ製品への採用例が少ないESS社の最新鋭超低ノイズフラッグシップDAC「ES9039SPRO」です。これにより、ノイズレスで純度が高く、ダイナミックレンジに優れたサウンドクオリティを実現しているとのことです。
また、このES9039SPROが生み出す高品質なサウンドをテキサス・インスツルメンツ社製のヘッドホンアンプIC「TPA6120A2」2基で増幅、ONIXが理想とするブリティッシュサウンドを再現しています。
そのほか、Wi-Fi経由でのネットワークストリーミング機能やスマートフォンアプリ「Eddict Player」からの操作が可能となるSyncLink機能など、幅広く音楽を楽しむための機能も搭載しています。
ゴールドのブランドロゴは本体背面にプリントされていました。
なお、XM5には別売となりますがナッパレザー製の”専用ケース”も用意されています。
【商品情報】ONIX XM5 専用レザーケース
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それではMX5の音質をチェックしてみましょう。ちょうどカラーリング的にも似ていたので、試聴には7月26日に発売を控えるMADOOの最新イヤホン「Type622」を組み合わせてみました。
【商品情報】MADOO Typ622
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ウォーム感のある中低域寄りのサウンド傾向で、いわゆるオーディオ的な響き・広がりを感じさせる音作りです。丸みのある高域に柔らかく主張する中域、量感・重さとも充分な存在感を示す低域で構成されたピラミッドバランスで、ゆったりと音楽に向き合えるプレイヤーであると思います。
スピード感はほどほどですが、S/N比が高いため無音状態からスゥッ…と音が立ち上がって表れる感じが実に自然で、ついつい音量を上げたくなってしまいますがそれでもうるささはありません。小さな筐体サイズからは予想外ともいえる重厚で落ち着いたサウンドが楽しめるDAPに仕上がっています。
DACチップ | ESS社「ES9039SPRO」 | サイズ | 115×69.6×19mm |
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重量 | 275.6g | ディスプレイ | スクリーン 3.0インチタッチスクリーン(720×720) |
OS | 独自OS | Gain機能(3段階) | High / Medium / Low |
出力 | 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス | Bluetooth | Ver 5.2 |
【商品情報】ONIX Overture XM5
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