ONIX Waltz XM10LTDをオーディオ専門店スタッフがレビューします。フラットでシャープなサウンドとONIX Miracleのプレーヤーとしても使用できる仕様を採用した、音質へのこだわりと独自性が融合したDAPを詳しく紹介します。
目次
ONIXのポータブルプレーヤーとは
Waltz XM10LTDの特徴
Waltz XM10LTDの音質レビュー
製品仕様
まとめ
イギリス南東部の都市・ブライトンで1979年に誕生したオーディオブランド・ONIX(オニキス)。スピーカー用アンプを中心に80~90年代の人気ブランドとして活躍後、現在は台湾企業のハイエンドオーディオブランドとして今なお愛されています。
そのONIXが昨年夏に発売したポータブルプレーヤー(DAP)が「Overture XM5」。歴史あるブランドらしいウォームサウンドとサイズ感で人気を博しました。
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そして今回、ONIX製DAPに新しいモデルが追加されることになりました!それがこちらの「Waltz XM10LTD」(以下「Waltz」)です!
今回はこのWaltzについて、詳細および音質レビューをお送りします。
あらためてWaltzの外観を見ていきましょう。形状としてはXM5のような重厚さとは真逆の、まるでスマートフォンのように薄いデザインとなっています。
iPhone 15 Pro Max(左)と並べてみるとこんな感じです。Waltzの具体的なサイズは縦157.7mm x 幅76.8mm x 厚さ11.5mmとなっています。
6.0インチのタッチスクリーン(2160×1080)にはスマートフォンのような切り欠き(ノッチ)があり、動作時にはブランドロゴが光ります。
本体上部にはなにもなく、フレームのくびれたデザインがより際立って見えます。
なお、写真ではわかりにくいのですがWaltzのフレーム側面はガンメタルカラーとなっています。
本体底部にはmicroSDカードスロット、USB Type-Cコネクタ、3.5mmジャックが並びます。
両端の”穴”についてはDAPとしての機能はまったくありませんが、のちほどご説明する「この機種ならではの使い方」をするために必要なものとなっています。
Waltzはその薄さもあり3.5mmジャックしか搭載されていませんが、同梱の変換アダプタを使用することで4.4mmバランス端子を接続することが可能です。
右側面にはボリュームダウン・アップ、そしてブランドカラーでもあるゴールドの電源ボタンが配置されています。
左側面には「戻る」「一時停止」「進む」ボタンをそれぞれ配置。
真っ黒な背面にはブランドロゴにハイレゾマーク、モデル名などが刻まれていました。
付属品は先ほどご紹介した3.5mm5極 to 4.4mm アダプタのほか、USB-A to Cケーブル、スクリーンプロテクター、クイックスタートガイド、製品保証書となっています。
なお、Waltzには別売となりますがナッパレザー製の「専用レザーケース」も用意されています。
【商品情報】ONIX XM10LTD Leather Case
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さて、ここまでご紹介してきた外観やモデル名に"XM10LTD"とある時点でお気づきの方もいるのではないでしょうか。そう、実はこのWaltzはONIX製オールインワン・オーディオシステム「ONIX Miracle」のプレーヤーユニット・XM10の薄型デザインを継承した新型DAPなのです。
フレームのカラーリング(XM10はマットブラック、Waltzはガンメタル)やボリューム操作がダイヤル式からボタン式へと変更されたなどの違いはありますが、もちろんこのWaltzもMiracleのDAC内蔵ヘッドホンアンプユニット・XP10にドッキングすることが可能です。Waltz底面の両端に開いている”穴”の答えは、Miracleとの固定用でした。
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このWaltzがXM10の"LTD"(限定版)となっている理由はほかにもあります!搭載するDACチップは旭化成エレクトロニクス製AKM4493SEQから「AK4191EQ + AK4499EX」のデジタル・アナログ完全セパレート構成にランクアップ。
アナログ回路にはアナログデバイセズ社のオペアンプ「AD8397」をデュアル構成で採用。細部まで描写する空間表現能力と柔らかく温かみのあるサウンドの両立を可能としています。
Android OSのバージョンも10から13へとアップ。もちろんお好みの再生アプリをインストールして使うこともOKです。
※動作保証対象はインストール済みの「ONIX Player」のみとなりますのでご注意下さい
それではWaltzの音質チェックに移りたいと思います。試聴にはMADOOの限定カラーモデル・ Typ622 Gold & Redを組み合わせてみました。
【商品情報】MADOO Typ622 Gold & Red
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ONIXのDAPといえば本機のベースともいえるXM10やカスタマイズファンクションボタンを備えた人気モデル「Overture XM5」のように”中低域の厚みがあるウォーム系サウンド”というイメージがありますが、このWaltzはフラットからやや高域寄りの若干硬さをもったシャープ系サウンド、という感じで以前のモデルの音をご存知の方はかなり驚かれるかもしれません。
低域もタイトで量感控えめですが定位感の良さ・S/N比の良さもあるため必要なところでバシッと決めてくれるような印象です。重量338gとやや重さはあるものの、薄型かつフラット傾向のサウンドなので大きめのアナログポータブルアンプと組み合わせるとまた面白いのではないでしょうか。
対応フォーマット | DSD (「.iso」, 「.dsf」, 「.dff」)*ISOのDSTエンコーディングには対応していません。 ISO / DXD / APE / FLAC / WAV / AIF / AIF / DTS / MP3 / WMA / AAC / OGG / ALAC / MP2 / M4A / AC3 / M3U / M3U8 / OPUS | DACチップ | AK4191 + AK4499EX |
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出力端子 | 3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス(付属の3.5mm to 4.4mmアダプタ使用) | バッテリー容量 | 4300mAh |
サイズ | 約157.7 x 76.8 x 11.5mm | 重さ | 約338g |
Bluetooth対応コーデック | 送信:LDAC / aptX HD / aptX / AAC / SBC、受信:LDAC / SBC | OS | オープンAndroid 13 |
【商品情報】ONIX Waltz XM10LTD
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ONIXの最新ポータブルプレーヤー「Waltz XM10LTD」は、
・まるでスマートフォンのような大画面の薄型ポータブルプレーヤー
・「AK4191EQ + AK4499EX」&「AD8397」搭載のハイクラス設計
・既存モデルと異なるフラット傾向でシャープなサウンド
と、歴史あるオーディオブランドならではのこだわりと独自性が融合したプレーヤーとなっています。
Waltz XM10LTDはただいまご予約受付中、発売は3月28日を予定しています。店頭試聴機もご用意しておりますのでぜひお試しを!Miracleと組み合わせてのご試聴もOKですよ!