小型音楽プレーヤーのパイオニアであるSONYのウォークマンをオーディオ専門店スタッフがシリーズ比較紹介します。また、ウォークマンの選び方やスマホとの違い、SONYの最新スマホと音質比較まで詳しく特集します。
目次
SONY ウォークマンとは
スマホとの違い
ウォークマンの選び方
ウォークマンシリーズ比較
おすすめのウォークマン
Android スマホXperia Ⅵと比較
まとめ
SONYの「ウォークマン®」は、"ポータブル"に音楽を聴くという新たなライフスタイルを創り出したソニーのポータブル音楽プレーヤーの呼称です。
現在は、サブスクストリーミングサービスをスマホで何曲も聴くことができますが、40数年前まで音楽を聴くスタイルといえば「大きなステレオシステムの前でレコードやカセットテープを再生する」というのがあたりまえでした。
そんなあたりまえを世界規模で大きく変えたのが、1979年にソニーが発売した世界初の再生専用ステレオカセットプレイヤー「ウォークマン(Walkman)」です。
以来、時代の変遷とともに対応メディアもカセットからCDやDAT、MD、メモリースティック、さらに内蔵メモリやmicroSDカードとさまざまに変化していきました。「ウォークマン」の名前はポータブルプレイヤーの代表格として世界中に知られています。
スマホとウォークマンの違いとして挙げられるのは、音質です。
最新のウォークマンでは、Android OSを搭載したモデルが主流となり、Androidアプリの使用が可能です。
モバイル通信やカメラ機能といったスマホに特化した機能以外は同じように使用ができるため、ほとんど変わらないと思われがちですが、ウォークマンは音楽専用に作られており、スマホと比べて音楽の臨場感や声・楽器の鮮明さや奥行きをより繊細に表現します。
SONY独自のアップスケーリング技術・DSDリマスタリングエンジンを搭載している機種では、CD音源やMP3音源をアップスケーリングした高音質の音を楽しむことができます。
※Android スマホのSONY Xperiaは搭載している機種もあります。
スマホは持ち運べるデータに限りがありますが、microSDカード対応のウォークマンであればたくさん音楽を持ち歩くことができます。また、スマホとデバイスを分けることでスマホの充電を気にせず音楽を楽しめます。
スマホで音楽を聴く場合にバッテリーの持ちが気になる、音楽データをたくさん持ち歩きたい、音質に不満があるというのであれば、専用のポータブル音楽プレーヤーの使用をおすすめします。
スマホと同じようにAndroid OSを搭載したウォークマンであれば、ユーザーがアプリをインストールすることでSpotifyや YouTube、Apple Musicといった音楽ストリーミングサービスの利用が可能です。ストリーミングサービスにある膨大な数の楽曲をいつでも楽しむことができます。
音楽ストリーミングサービスを利用したいのであれば事前に対応を確認をしましょう。
音質を決めるDACチップの性能は音楽プレーヤーを選ぶ際に重要となる点のひとつです。DAC(Digital to Analog Converter/デジタルトゥアナログコンバーター)とは、音楽を再生する際にCD・音楽ファイルのデジタル信号をアナログ信号に変換する機能のことです。
この音質を決める上で重要なDACチップですが、SONYのウォークマンにおいては、SONYが長年培ってきた技術により独自開発されたデジタルアンプS-Masterがその役割を担います。S-Masterは、音楽信号の読み込みから音の出力までをデジタル処理によって行います。
音質はその他にもさまざまな要素によっても変化しますので、ご自身の好みに合わせて選びましょう。
ウォークマンは種類が豊富に販売されています。
最も高音質な最上位モデルはポータブル音楽プレーヤーといっても高音質のためのさまざまな仕様が施されており、最新の最上位機種「NW-WM1ZM2」は重さ約490gです。iPhone 14が重さ約172 gですから倍以上の重さとなります。
気軽に持ち歩きたい場合は、手軽に持ち歩きやすいサイズのモデルを選びましょう。
ウォークマンは種類が豊富に販売されています。
最も高音質な最上位モデルはポータブル音楽プレーヤーといっても高音質のためのさまざまな仕様が施されており、最新の最上位機種「NW-WM1ZM2」は重さ約490gです。iPhone 14が重さ約172 gですから倍以上の重さとなります。
気軽に持ち歩きたい場合は、手軽に持ち歩きやすいサイズのモデルを選びましょう。
Sシリーズは、ウォークマンの中でも小型・軽量で手軽に使用できる人気シリーズです。中でもS310は、手軽に使えて音楽、語学学習、ラジオも聴ける小型ウォークマンです。約53gの軽量なサイズで、音楽再生なら約52時間バッテリーが持続します。
学生に嬉しい語学学習用の「A-Bリピート再生」、再生位置を戻す「クイックリプレイ」、FMチューナー内蔵でラジオが聴けるのも学生に人気のポイントです。
Aシリーズは、ウォークマンの中でもスタンダードなシリーズです。現在A50、A100、最新のA300が販売されています。ソニーのフルデジタルアンプ「S-Master HX」搭載やハイレゾ再生対応、ワイヤレスではハイレゾ級の高音質「LDAC」に対応しています。
ストリーミングサービスを使用したいのであれば、A100・A300、スタミナを重視したいのであれば、A50がおすすめです。
ZXシリーズは、ウォークマンの最上位モデル向けの高音質技術を引継ぎ、ハイレゾ再生対応の高性能フルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載、DSD信号のネイティブ再生、さらにバランス接続にも対応する高音質モデルです。
WM1シリーズは、ウォークマンの最上位モデルです。再生回路や配線、ボディに至るまですべてにおいて高音質のための設計が施され、最新のNW-WM1ZM2、NW-WM1AM2では、待望のストリーミングサービスに対応しました。
【商品情報】SONY NW-A306
» 詳細を見る
【商品情報】SONY NW-A307
» 詳細を見る
【商品情報】SONY NW-ZX707
» 詳細を見る
【商品情報】SONY NW-WM1ZM2
» 詳細を見る
【商品情報】SONY NW-WM1AM2
» 詳細を見る
ウォークマンを紹介してきましたが、スマートフォンで音楽を聴くという方も多いのではないでしょうか。そこで、SONYのスマートフォンXperiaとウォークマンを比較してみようと思います。
Xperiaは、ソニーのスマートフォンブランドです。最新のAFや光学ズームを搭載したカメラやセンサーはもちろん、高音質DSEE技術の搭載やiPhoneでは2016年発売のiPhone7以降廃止されたイヤホンジャックの搭載、microSDカードの使用が可能といった点からも音楽プレーヤーとしても使用したい機能が搭載されています。
なんだ、スマホでいいじゃんという声が聞こえてきそうですね。詳しく比較していきましょう。
Xperiaの中でも高コスパで人気の10シリーズ2024年7月発売のXperia 10 VIとNW-A307とNW-ZX707を比較してみたいと思います。3機種ともDSEE Ultimate ONで再生しました。
NW-A307 | NW-ZX707 | Xperia 10 Ⅵ | |
![]() | ![]() | ![]() | |
音質・アップスケーリング | S-Master HX/DSEE Ultimate | S-Master HX/DSEE Ultimate | DSEE Ultimate |
OS | Android 12 | Android 12 | Android14 |
ハイレゾストリーミング対応 | 有線/無線 | 有線/無線 | 有線/無線 |
スタミナ最大 | 36h | 25h | 48h |
メモリ/microSDカード対応 | 約64GB/対応 | 約64GB/対応 | 約64GB/対応 |
USB-DAC機能 | 搭載 | 搭載 |
|
出力 | ステレオミニ | ステレオミニ/バランス標準 | ステレオミニ |
サイズ(mm) | 56.5x98.4x11.8 | 72.5x132.3x16.9 | 68×155×8.3 |
重さ | 約113 g | 約227 g | 約164g |
商品情報 |
|
中高音域中心のクリアで伸びやかな解像感の高いサウンドです。定位感も良く横に広がるイメージです。アコースティック楽器の音楽を聴いてみるとは空気感もしっかりと再現してくれている印象で、ノリ良く音楽を聴けます。
ウォークマンに共通するクリアなサウンド傾向は同じですが、特に低音の量感と全体的な音のまとまりの良さ、臨場感は今回比較した2機種とは一線を画すものがあります。同じアコースティック楽器の音楽を再生してみるとギターの弦にちょっと触れた音まで聞こえてきて目の前で演奏しているかのような感覚を覚えました。ずっと聴いていたいと思わせる説得力のあるサウンドです。
中高音域中心にクリアでボーカルものは特に声が印象に残ります。同じアコースティック楽器の音楽でも高音域の抜けの良さがあるのですが、全体的な空気感やまとまり感の再現性、そして低音のレスポンス、量感は2機種と比較するとやはり劣る印象です。映像作品を観るために声を中心に聴けるという点、定位感の良さなど、当然ながらスマホ用途向けのサウンドバランスになっているのではないでしょうか。